Facebookは、あと5~8年で消滅するという記事がありました。その妥当性について考えてみます。
フェイスブックが幕を閉じる日が近づいている 新規サービスが続々登場、すでに淘汰の段階に入った
1.Facebookのピークは過ぎた
Facebookに飽きたという人が多いという話が紹介されていますが、消滅する理由にはなりません。
2.IT業界は流転が早い
IT業界は流転が早いのは事実ですが、これも消滅する理由にはなりません。消滅した会社も残っている会社もあります。
3.売上の8割を広告に頼っている
売上の8割を広告に頼っていることも消滅の理由にはなりません。Googleをはじめ、インターネットで利益を上げている会社のほとんどは、広告で利益をあげています。
4.ワシントン・ポスト紙に風刺画が掲載された
ワシントン・ポスト紙に風刺画が掲載されることが、会社が消滅することを予告しているというのでしょうか?よくわかりません。風刺画の内容は、スマートフォンを見ながら一列に歩いている若者たちが、崖から1人ずつ落ちていくというものだそうです。
5.株価が低迷している
株価の低迷も、すぐには消滅することにつながりません。
6.ソーシャルメディアの波は写真へ移行する
ソーシャルメディアで写真が多く使われるようになったのは事実です。それは、大容量のデータを高速に扱えるように、技術が進歩したからです。Facebookでも写真は扱えますし、Instagramも買収しました。
7.SNSは自分の暗部を積極的に見せない
リアルの世界でも、自分の暗部を積極的に見せる人は珍しいです。自分の暗部を積極的に見せないことが、Facebookが到達する点は虚像なのではないかとの思いをつのらせるそうですが、リアルの世界も虚像に到達すると考えているのでしょうか?
8.ソーシャルメディアでは利益がでない
ソーシャルメディアの情報が多すぎて、企業や組織のブランドを高めることができなくなっていると捉えています。ソーシャルメディアとは、そういうものであり、ソーシャルメディアで利益を上げている人たちはごく一部です。これもFacebookが消滅する理由になっていません。
9.IT技術の進化が人間の成長より速い
IT技術の進化が人間の成長よりも速いから、今後は自然淘汰されると主張しています。また、ソーシャルメディアの将来は決して明るくないという意見を紹介していますが、その根拠は自然淘汰が起こるからと考えているようです。IT企業の淘汰は常に行われています。IT技術の進化が人間の成長よりも速いから淘汰が起きるというのは理解できません。
まとめ
記事の主張は、Facebookのピークは過ぎたし、株価も低迷している、世間の評判も以前ほどではない、だからFacebookは消滅するだろうと言っているに過ぎません。Facebookという会社が消滅する根拠も、Facebookというサービスがなくなる根拠も示されていません。ただ単に、IT業界は変化が激しくて、新しいサービスが続々出てくるから、企業の淘汰が起きると言っているだけです。それは、過去30年間そのとおりで、これからも変わりません。
IT業界は変化が激しく、5~8年以内にFacebookがどこかの会社に買収される可能性はあります。しかし、ソーシャルメディアの将来は、決して明るくないという主張は間違っています。ソーシャルメディアは、実社会の人のつながりをITを使って強化したものです。これからも発展を続けることは間違いありません。
その発展に最も寄与する起業がFacebookかどうかは、わかりません。Facebookという会社が、経営判断のミスで消滅する可能性はありますが、ソーシャルメディアが消滅することは、ありえません。