インターネットは、情報交換における時間と距離の壁を超え、国境もなくしました。50年前には、誰も予想できなかった世の中になりました。
しかし、その副作用もあります。特に、生まれた時からインターネットが存在する世代にとっては、インターネットがない世の中を想像しにくくなっています。
インターネットの副作用を知り、代替手段を考えておくことは、これからますます必要なことです。
時間の浪費
ネットサーフィン、ゲーム、ソーシャルメディアなどは、時間を取られます。これらに費やす時間が適切なものであるかどうかは、常に注意していなければなりません。
うっかりすると、多大な時間を使うことになります。
特に、子供が大人になっていく大切な時期に、子供が何に時間を使うかを適切に判断できるとは限りません。
大人でも難しいことを子供に期待することには無理があります。子供のインターネット利用には、大人のチェックが必要です。
時間は最も貴重な資源です。ほかとの兼ね合いで、何に時間を使うべきかを常に意識しなければならない世の中になったといえます。
ネット中毒
薬物と同じように、ネット中毒になる人がいます。中毒患者は、ネットにほとんどの時間を費やすことになります。年単位の時間を失うことにもなりかねません。
特に子供は注意が必要です。子供の時に、年単位の時間を失う影響は計り知れません。十分な注意が必要です。
中毒になると自分の力では抜けられません。周りの人が適切な治療を施さなければなりません。
人間関係
インターネットには、人間関係を広げる力があります。多くの人とゆるくつながることができます。
その反面、誰とも深くつながらない人が増える可能性があります。広くつながれるため、深くつながる必要を感じなくなるかもしれません。
他人と深くつながるには、わずらわしい人間関係に折り合いをつけなければなりません。そのような関係を避ける人は、昔からいました。
インターネットはそのような人を増やすことになります。
思考の断片化
Twitterなどのソーシャルメディアは、リアルタイムの一過性の情報であふれています。それらの情報に反射的に反応する人がいます。
ほとんど考えることなく、感覚的に返信しています。そしてすぐに忘れてしまいます。
このような習慣がつくと、知識の体系を理解、蓄積し、きちんと考えて判断する力が育まれません。
また、インターネット上の情報は、個別的、断片的であることが多く、その信頼性も玉石混交です。そのため、多くの文章は読み飛ばすことになります。
また、タイプミスや変換ミスなどの誤りや、ネット独特の表現なども結構見受けられます。
これらは、きちんとした文章を正確に読み取る力を衰えさせます。長期的には日本語そのものに影響を与えることになります。
副作用に対する対処
時間の浪費やネット中毒を避けるためには、インターネットの使用目的を明確に意識して使うことと、時間を区切ることです。
何かをインターネットで調べるときは、そのことを意識し、だらだらとネットサーフィンを続けないことです。
ソーシャルメディアなどは、タイマーをセットし、あらかじめ決めた時間だけ使うようにすると、気がつくと予想外の時間がたってしまったということがありません。
人間関係は、広くゆるくつながるだけでなく、強い信頼と深い友情で結ばれた少数の友人とのつきあいも意識すべきです。
思考の断片化は、インターネットだけでなく、書籍などの文章をきちんと読み、自分の考えをまとめることで避けることができます。
副作用があるからと言って、ネット断食やIT断食のように、文明の利器を一時的とはいえ断ってしまうことは、その不利益の方が大きくなってしまいます。
副作用のあるものは、副作用をきちんと理解した上で、それをうまく避けて使うことが肝要です。