起業した時に誰もが悩むのが集客です。ビジネスにおいて集客は永遠の課題です。そこで、ネットとリアルの両方の集客方法をまとめました。
1.Webサイト(ホームページ)
Webサイトはネット集客の基本です。ホームページと呼ぶ人も多くいます。
Webサイトの課題は、見込み客にどのように知ってもらうかです。
(1)SEO
検索時に上位表示するための手法が、SEO(Search Engine Optimazation:検索エンジン最適化)です。
以前は、キーワードを詰め込んだり、外部からリンクを張ったりする手法が有効でした。しかし、検索エンジンの改善が進み、現在ではコンテンツが重視されています。
読者が求める良質なコンテンツを提供することが、Googleの検索エンジンに高く評価され、上位表示されることにつながります。
いわゆるオウンドメディアは、これを追求した手法です。
不自然にキーワードを詰め込んだサイトはペナルティの対象です。
外部リンクは、重要なサイト以外からのものは重視されていません。無料ブログや貧弱なサイト、広告、プレスリリースなどからのリンクは、かえってペナルティの対象となります。
(2)ブログ
ブログもWebサイトの一種です。良質なコンテンツを提供することで、検索で上位表示されます。
日記のような日々の出来事を書いたブログでは集客になりません。知り合いが読んでくれるくらいです。
Webサイト(ホームページ)と別のドメインでブログを書いている人もいますが、もったいないことです。
ブログのコンテンツで受けた高い評価は、そのドメインに対するものです。ドメインが変わっては、Webサイト(ホームページ)は検索で上位表示されません。
リンクを張るだけでは効果はありません。Googleからすれば、弱小サイトのひとつからリンクが張られているという評価です。
集客を考えるならば、ブログとWebサイト(ホームページ)は、同一のドメインとすべきです。
(3)無料ブログ(アメブロなど)
アメブロなどの無料ブログをビジネスで使うことは禁物です。いつブログサービスが終了しても文句を言えません。
アメブロの読者登録などの機能が、集客に役立つと考える人がいます。しかし、読者登録した相手が読者登録し返したとしても、ブログを読んでくれるとは限りません。読者登録だけを増やしている人がたくさんいます。
無料ブログサービスは、会社の都合でいつ中止されるかわかりません。そのようなリスクを冒すぐらいなら、有料のレンタルサーバーを借り、独自ドメイン(独自のURL)を取得すべきです。
そうすれば、レンタルサーバー会社が倒産しても、別のレンタルサーバーで同じドメインを使い続けられます。
(4)ランディングページ
ランディングページとは、商品やサービスを売るためのWebサイトです。ネット広告やSNSのリンクからたどり着くようにします。
ランディングページ自体が検索で上位表示される必要はありません。
商品やサービスを速やかに購入してもらうことが大切なページです。
(5)スマホサイト
現在のWebサイトは、PCでもスマホでも画面の大きさに合わせ最適な表示をするレスポンシブ対応が普通になってきました。
スマホサイトとして特別扱いする方が不自然です。
スマホで見るとき拡大しなければならないサイトは、Googleからも表示順位を下げられます。
2.Facebook(個人ページ)
Facebookで利用者が望むことは交流と情報です。集客しては嫌われます。
Facebookでいくら「いいね!」を集めてもそれだけです。「いいね!」をたくさんつける人には、投稿を読まずにつける人がいます。投稿が表示される人は増えますが、集客につながることはありません。
Facebookでは、交流と情報提供で、ブランディングと自社サイトのアクセス増加に力を注ぐべきです。
3.Facebookページ
Facebookページは広告用ツールとなりました。
Facebookページの投稿は、そのままではあまり表示されません。
お金を払って広告すれば、対象を絞って広告を表示することができます。対象は性別、年齢、地域、使用言語などで指定できます。趣味や関心でも絞り込めます。
Facebookで交流を楽しんでいる人に一方的に表示されることを考慮して、リンク先のランディングページを設計することが必要です。
4.Twitter
Twitterも交流と情報提供が主体です。Facebookよりもメッセージの流れが早く一過性の媒体です。
直接の集客はほとんど効果がありません。ブランディングと自社サイトのアクセス増加が主な目的になります。
5.LINE@
LINE@では、登録メンバーにプッシュ型の通知を送ることができます。確実に見てもらえますが、必要ないと思われればすぐに解除されます。
濃いファンに対しメリットのあるメッセージを送ることが大切です。
6.リスティング広告(検索連動型)
検索時に検索結果の上下に一緒に表示される広告です。クリックされるたびに広告料が発生します。
大手企業が大金を投入しているため、費用対効果が非常に悪くなっています。大手企業のリスティング広告担当者は費用対効果を考えることがないのかと思わせます。
大手企業にとっては、リスティング広告はテレビ広告に比較すれば無視できるほどの費用でしかないため、自社広告の上位表示が至上命令となっているという説もあります。
中小企業や個人とすれば、極めて限られたターゲットに向けた広告として使えるぐらいです。一般的なキーワードでは費用対効果が悪すぎます。
7.リスティング広告(ディスプレイ型)
利用者が見ているページの内容に合わせて掲載される広告です。クリックされるたびに広告料が発生します。
自サイトを訪問したユーザーを追いかけ、そのユーザーが別のサイトを訪問したときに広告を表示するリマーケティングという仕組みがあります。
ディスプレイ型のリスティング広告の方が、検索連動型よりもまだ費用対効果は良くなります。
8.アフィリエイト
アフィリエイトとは、ネット広告の一種です。広告主にとっては、売上があがってから広告料が発生する費用対効果の高い方法です。
広告はブログなどに掲載されます。報酬が高い方が掲載されることも多くなります。
9.電子メール
電子メールは相手にほぼ確実にメッセージを届けられるツールです。
何回か会ったけれども成約に結びつかなかった人などに、久しぶりに案内のメールを送ることもできます。
見ず知らずの人ではなく、相手に合わせて興味のある内容でアプローチをすることにより、高い反応率を得ることができます。
10.メルマガ
迷惑メールが増えたこともあり、メルマガの反応率は大幅に下がっています。それでも読んでいる人もいます。
ソーシャルメディアが相手からのアクセスを待つのに対し、メルマガはこちらから届けられることが強みです。
反応率はどのソーシャルメディアよりも優れています。
価値のある内容を配信し、過剰な宣伝を慎むことが大切です。
11.YouTube
YouTubeの動画に広告を表示することができます。
しかし、YouTubeの視聴者のほとんどは子供です。すぐに集客には結びつきません。
また、動画は視聴するのに時間がかかります。よほど興味がなければ全部は見ません。
コンテンツを説明するために動画が適している場合、WebサイトでYouTubeのリンクを張る使い方はあります。
現在、GoogleはYouTubeを優先的に検索時に上位表示させています。それをねらって、ブランディングに使うのはいいと思います。
12.他サイトの利用
他のサイトに自分を登録して集客するサービスがあります。
(1)マネジメントメンター
経済産業省の中小企業支援のひとつです。登録要件は厳しいですが、無料で登録できます。
「マネジメントメンター登録制度」 のご案内について | 中小企業支援 | 施策のご案内 | 関東経済産業局
(2)専門家紹介サービス
一般企業も同様のサービスを行っています。一般企業が行っているため有料となります。
専門家をさがせるWebガイド【マイベストプロJAPAN】全国版
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13.自社セミナー
自社のセミナーで他の商品やサービスの紹介をする方法です。対象が絞られていれば高い成約率となります。
他社が主催のセミナーでは主催者の承認が必要です。
セミナー自体の集客が問題になりますが、それはこの記事の方法が使えます。
14.紹介
知り合いの紹介、同業者からの紹介、お客様からの紹介などがあります。第三者の紹介はその人の信用が加わるため、成約率も高くなります。
同業者からの紹介は、その人と専門が異なるときにあります。
お客様からの紹介は、お客様がそのサービスを受けていることを知られたくない場合には難しくなります。
15.展示会
見込み客が集まる展示会は、短時間で効率よく集客できます。
既存客に案内状を送り、展示会で再会することが期待できます。また、ブースの前を通る来場者を呼び込むことも期待できます。
どちらも、展示会終了後のアプローチが重要です。
16.折込チラシ
新聞に折り込まれているチラシです。すべての家庭で使う日常品などに適した集客方法です。スーパーのチラシが代表的です。
東京ですとマンションのチラシもよく折り込まれています。マンションの購入を考えている人が仮に1000軒に1軒ならば、1000分の999はムダになります。
対象となるお客様がどのくらいの割合でいるかが大切です。そのうち何パーセントの人がチラシを見て、何パーセントの人がマンションを見に来るかです。そして、マンションを見に来た人の何パーセントが買うかと考えると気が遠くなります。
近所のスーパーであれば、数十パーセントの人がチラシを見て、スーパーに行きます。スーパーに行った人は、ほとんどの人が何かしら買います。
マンションの場合は、非常に低い割合になります。その分、広告費も高額になります。
スーパーなどの日用品を除くと、一般に折込チラシを見て出かける人は、非常に低くなります。
17.ポスティング
折込チラシは、ある地域のある新聞購読者全世帯に配布されます。
それに対し、ポスティングは折込チラシよりも対象を絞ることができます。例えば、マンションのチラシを集合住宅だけに入れるという具合です。
その分、反応率は折込チラシよりも高くなります。
18.ダイレクトメール
ダイレクトメールは郵送するため配布単価が高額になります。また、見込み客の住所と氏名を入手しなければなりません。
法人データは、帝国データバンクや東京商工リサーチなどで購入することが可能です。法人情報ならびに代表者情報は、登記されている情報であるため、個人情報保護法の対象外となっています。
ところが個人データは個人情報保護法で保護されています。
住民票の閲覧が自由にできたときは、そこから見込み客のリストを作っていた会社もありました。個人情報保護法施行以降、それは違法となりました。
名簿屋が各種名簿を売っていますが、2005年の個人情報保護法全面施行以前の名簿がほとんどです。古い情報でどこまで正しいかわかりません。
違法に入手した名簿が、名簿屋に出回ったニュースは記憶に新しいところです。
まったく知らない会社からダイレクトメールが届いたら、どこから住所と名前を入手したか調べたくなります。そのような会社の商品など、買う気にならない人がほとんどではないでしょうか?
個人に対するダイレクトメールは、住所を教えてくれた既存顧客へのアプローチ以外には、使えなくなったと思います。
19.FAXDM
FAXDMはFAXを送る集客方法です。B2Bのみで使える方法です。一般家庭に送ることは違法です。
比較的低コストで一斉送信できますが、相手の紙を使うことになるので、繰り返し送るとクレームを受けることになります。
20.テレアポ
1件1件電話をかけるため、かなりの労力が必要になります。経験者を雇うか、外部委託すべきです。
最初に何を伝えるかで反応率が大きく異なります。セールストークを作りこみ、数をこなすことになります。
21.プレスリリース
ニュースを取材・編集する記者たちに、新商品や新サービスの概要を伝える報道用資料を渡します。取り上げてもらい記事になれば大きな宣伝になります。
有料になりますが、ニュースリリース配信代行会社に配信を依頼することもできます。
さらに高額になりますが、PR会社に依頼することもできます。
おわりに
Webとリアルと両方で、主な集客方法についてまとめました。
これ以外にも、テレビやラジオ、新聞や雑誌など、媒体の種類に応じて広告があります。
集客にはお金がかかります。どこまで、お金をかけるかは次のように考えます。
広告の成約率と商品の売上単価と利益率から、集客にどれだけコストを掛けられるかが決まります。
広告媒体の配布部数や反応率を正確に知ることは困難です。しかし、1件の反応を得るためのコストはわかります。
(1件の反応あたりの利益)=(成約率)×(売上単価)×(利益率)
(1件の反応あたりの利益)>(1件の反応あたりのコスト)であれば集客にコストをかけるべきです。
反応数、成約率の高いターゲットをねらって広告を出します。通常はターゲットを広げると反応数や成約率が下がります。
(1件の反応あたりの利益)≦(1件の反応あたりのコスト)となったら、それ以上、同じ方法の集客コストをかけるべきではありません。
ネットを使うことにより、リアルの広告と比較して、1件の反応あたりのコストを大幅に下げることができます。