心理学は幸せになる方法を見つけていました。「ポジティブ心理学」は、幸せになるための心理学として、その方法を明らかにしました。
「ところで、”幸せ”っていったい何なの」こんな疑問をもつかたもいると思います。幸せの定義については、いままで哲学的に数多くの定義がなされています。本書では幸福を定義することなく、「幸福の構成要素」を提示しています。
「幸福の構成要素」とは、ポジティブな感情です。ポジティブな感情とは、楽しさ、高揚感などであり、本書にはポジティブな感情が人におよぼすさまざまな例が紹介されています。
ポジティブな感情は、過去、現在、未来の3つに分類されます。
過去に関するポジティブな感情は、過去の良い出来事に感謝し、過去の悪い出来事を許し、過去が未来を決定するという固定観念を追放することで増強できます。
未来に関するポジティブな感情は、自分の悲観的な考え方に気づき、それに反論することにより楽観度を高めることで増強できます。
現在に関するポジティブな感情には、快楽と充足感があります。
快楽とは感覚そのものと強烈な感情からなる喜びのことです。絶頂感、歓喜、躍動感、心地よさなどがあります。ふつう快楽は束の間のものですが、他人と分かち合うことやゆったりと味わうことで増強できます。
充足感は、個人の強みを発揮することや普遍的な美徳を実践することで得られます。
充足感を得るために、自分ならではの強みを活用すること、これが最良の人生だとしています。
すなわち、自分の強みを見つけ、その強みを活用して、充足感を得ること。それが幸福です。