何か大きな目標があるとき、その目標を人に話した方が良いか、黙っていた方が良いか、いくつかの説があります。
目標を人に話した方が良い理由
目標を人に話した方が良い理由は2つあります。
自分を追い込む
目標を人に話すことにより、後戻りできない状況に自分を追い込むことになります。「やっぱりやめた」と言いにくい状況になります。
自分で意思が弱いと思っている人には、特に有効な方法です。
協力してもらえる
目標を人に話すと、協力してくれる人が現れます。
「○○さんに会いたい」と話をしたときに、たまたま○○さんと懇意な人を知っている人がいて、紹介を頼んでくれた、というような話はよく聞きます。
目標を人に話さない方が良い場合
目標を人に話さない方が良い場合もあります。
目標を話したときに、
「そんなことできるわけない」
「何を夢みたいなことを考えているんだ」
などと、否定したり、笑いものにしたりする人がいます。
そうするとモチベーションが非常に下がります。
こういう人には目標を話さない方が良いです。
私の父がこのタイプでした。父は家が貧しかったため、高等小学校を卒業した後、町のエライさんや学校の先生に勧められて満州に働きに行きました。自分よりも成績の悪かった同級生が、大学まで進んだことを愚痴っていたこともありました。
終戦直前に徴兵され、終戦後はシベリアに抑留されました。幸い生きて日本に帰ることができましたが、日本に戻ったときにはすべてを失っていました。父は日本に帰ってから私が生まれるまでのことを話したことがありません。
おそらく生きていくだけで精一杯で、夢や目標などを持っても、実現する術もなかったのだと思います。それが、他人に対しても夢や目標を持っても絶望するだけだと諭すことにつながったのだと思います。
稲盛和夫さんの『生き方―人間として一番大切なこと』を読むと、人生と仕事の結果は考え方と熱意と能力の掛け算だと書かれています。しかし、環境に恵まれていたことも大きな要因だと思わずにはいられません。
新しい説
最近、『成功したいなら「目標は誰にも言うな」–目標を宣言すると、モチベーションが下がるらしい | ログミー[o_O]』という記事を見かけました。
簡単に要約すると、目標を話してしまうと、それでいい気分になり、それを実現したいというモチベーションを下げるからだそうです。実験も行われたということです。
これは奇妙な話です。なぜ、話をしただけで、目標が実現されてしまった気分になってモチベーションが下がるのでしょうか?納得のいく説明はなにもありません。
実験の内容もおかしなものです。目標を紙に書いた後、目標を宣言するグループと黙っているグループに分けています。45分間目標実現のための作業を行った後に、両グループの作業状況と反応を比較しています。
45分間の作業で実現するための作業ができる目標とは、どのような目標だったのでしょうか?簡単な工作か何かでしょうか?何を実験しようとしたのか全くわかりません。
まじめに考慮する必要のない話です。
まとめ
一般的には、目標は人に話をした方が、自分のモチベーションもあがり、協力してくれる人も現れます。しかし、人の目標を否定したり、笑いものにしたりする人には話さない方がいいです。
意味不明の説もありますが、無視することが賢明です。
『生き方―人間として一番大切なこと』については以前ブログを書いています。