『どうしてクールビズでも、営業は「半袖シャツ」を着ない方がいいのか?:日経ビジネスオンライン』というエントリが流れてきました。
「これを『ユニフォーム効果』という。大雑把に言えば、人は相手を見た目で判断する、ということ。スーツをきっちり着込んでいる人と、ラフな格好をしている人と、両方から同じ説明を受けた場合、きちんとした服装の人から聞いた方が説得の効果が高いそうだ」
中略
「まあ、欧米に比べ、日本は湿度が高過ぎるから、猛暑にネクタイまで締めると汗まみれになって見た目が悪くなる。だからネクタイまで締めろとは言わないが、半袖シャツはやめた方がいい。トップセールスになりたいのだったら、だ」
トップセールスになりたいなら、ユニフォーム効果をねらって、クールビズでも長袖シャツにジャケットを着た方が良いという主張です。
これは相手しだいです。シリコンバレーのテクノロジー系企業でスーツを着ていては違和感があります。スーツを着る人は大企業病という研究結果もあります。
米国のカリフォルニア州立大学ノースリッジ校から発表されました。
同校の研究によると、スーツを着ている人の特性は(1)権力を誇示したがるが、他の従業員とのコミュニュケーション量が少ない(2)物事の詳細よりも概念的な考え方をしがち(3)具体的なデータや事実ではなく主観に頼った決断をしがち、であることが判明したという。これらの特性は、いわゆる大企業病と呼ばれる内容に似ている。反対に速いスピードで物事を進めるスタートアップの人々は、個々のステータスよりもチームワークを、全体的な概念よりもプロダクトの詳細を、主観よりもデータや事実に基づく決定を重要視することから考えても、彼らにとってふさわしい格好を職場でも実践しているといえるだろう。
長袖シャツにジャケットという服装が、ユニフォーム効果を発揮する相手かどうかを見極めることが大切です。それでなければ、時代遅れの、頭の古い、暑苦しい人だと思われます。
ひとつの目安は相手の服装です。相手がクールビズで上着を着ていなければ、それに合わせるべきです。相手がクールビズなのに、ユニフォーム効果をねらって長袖シャツにジャケットを着ていては失敗です。ユニフォーム効果を発揮できるという考えは、ひとりよがりです。
ユニフォーム効果をねらう以外の理由で、スーツを着る人もいます。
オンとオフとを切り替える目的でスーツを着る人がいます。昔、読んだ本に「二日酔いでもスーツを着ると仕事モードになる」と書いていた人がいました。
習慣として、仕事をするときはスーツを着るという人もいます。仕事をするときに着る服で悩みたくない人です。
熱帯のような日本の真夏には、クールビズが普及した現在、このような理由でスーツを着る人はほとんど残っていないと思います。
40℃近い真夏の日本で、長そでシャツにジャケットを着る人は、人と会うときにユニフォーム効果をねらう人です。しかし、相手にその効果が伝わっているかを感じ取れない人、あるいは、相手が自分をどのように感じているかを感じ取れない人である可能性が高いと思います。