電子書籍のもたらすもの

本棚

 Kindleのサービスにより、電子書籍が本格的に広がっています。ここで、電子書籍が世の中をどのように変えるかを整理しておきます。

1.本の流通が変わる

 紙の本の通常の流通ルートは、出版社 → 取次店 → 書店 → 読者です。電子書籍は、これを破壊します。Kindleは、出版社(出版者) → 書店(Amazon) → 読者としました。Kindleとは別に、出版社(出版者) → 読者という形態をとることも電子書籍では可能です。

 取次店と通常の書店にとっては死活問題ですが、技術の進歩が世の中を変えるときには、よくあることです。新見南吉の『おじいさんのランプ』では、これからは電気の時代だと悟った主人公は、ランプをたたき割りました。

 出版業界だけでなく他の業界でも、零細小売業と卸売業は非常に苦しい世の中になってきました。インターネット販売は、生産者と消費者を直接結びつけます。零細小売業はものを売るだけでは、成り立ちません。生き残る道は、サービスを売ることです。

 出版業界に当てはめれば、読書コンサルタントでしょうか?近所の人にどのような本を読めばよいかアドバイスを行い、人を集めて読書会を開くといったことと組み合わせて、本や関連商品を売るという道は残されているかもしれません。

2.本の買い方が変わる

 以前は、気になった本は見つけたときに買っておかないと、読みたいときに買おうとしても簡単には見つからず、非常に苦労しました。それが、家の中に本があふれかえる原因ともなっています。

 Amazonができて大幅に改善されました。絶版や品切れ以外の本は、容易に手に入ります。昼に注文した本がその日のうちに届くことがあります。Kindleでは、それが数秒になります。購入して、ダウンロードすればすぐに読み始められます。Kindleになっている本は、読みたいときにダウンロードして買うようになりました。

3.本の著者が変わる

 Kindleでは、誰でも無料で出版できます。出版社の企画、編集を経た出版とは別に、個人が自分で原稿を書き、データを所定の形式に整え、アップロードすれば、AmazonのKindleストアで発売できます。

 私もやってみました。まだ、データの形式を整えるところでかなり苦労しますが、難しければそこだけ業者に頼むこともできます。Kindle出版で出版のハードルが大きく下がりました。

 Kindle出版には、絶版や品切れがありません。紙の本は、売れなければ書店の店頭から消えます。絶版になれば入手は困難になります。ところが、Kindleは、Amazonで売られ続けます。ニッチな領域の本を長期間売り続けることができます。

まとめ

 電子書籍が、紙の書籍に比べて劣る部分は、パラパラと読む時の速度です。ページを高速でめくり、目当てのページを見つけて読むときは、紙の本のほうが早くできます。これもそのうち、技術の進歩により解決されます。

 それ以外の点では、持ち運びの容易さ、保管の場所、価格等、電子書籍の方が優れています。近いうちにすべての新刊書は、電子書籍でも発売されるようになり、10年後には電子書籍だけで発売されるようになると思います。

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