スティーブン・R・コヴィーの『7つの習慣』に緊急なことと重要なことの話が出てきます。
- 緊急度が高く、重要度が高い
- 緊急度が高く、重要度が低い
- 緊急度が低く、重要度が高い
- 緊急度が低く、重要度が低い
緊急度が高く、重要度が高い
「緊急度が高く、重要度が高い」ことは、人命にかかわったり、大きな損害が発生したりする事故の対応などです。何をおいても、すぐに対応しないわけにはいきません。
緊急度が高く、重要度が低い
「緊急度が高く、重要度が低い」ことは、勧誘の電話などです。電話は鳴ったら出なければなりませんが、出るまで重要度がわかりません。
先日、携帯電話に勧誘の電話をかけてきた会社があります。その会社主催のセミナーのアンケートに答えたときに、携帯電話の番号を書いたのだと思います。
しかし、電話番号を勧誘に使うとは書いていませんでした。書いてあったら誰も書かないと思います。これは個人情報の目的外利用です。個人情報保護法違反です。会社名はあえて書きませんが、セミナーの内容は良かったのに残念です。
この会社は、携帯電話に勧誘の電話をかけてくるだけで常識を疑われますが、順法精神に欠ける会社であることも印象付けてしまいました。
電話は前から緊急度の高いものでしたが、携帯電話になってさらに緊急度が上がっています。緊急度の低い要件でかけられた携帯電話ほど迷惑なものはありません。
緊急度が低く、重要度が高い
「緊急度が低く、重要度が高い」ことは、健康のために運動したり、中長期的な計画を立てたりすることです。
『7つの習慣』では、「緊急度が低く、重要度が高い」をきちんと実施することを勧めています。人は、どうしても緊急度の高いことに振り回され、重要だけれども緊急でないことに手を抜いてしまいます。
緊急度が低く、重要度が低い
「緊急度が低く、重要度が低い」ことは、単なる暇つぶしにテレビを見ることなどです。「緊急度が低く、重要度が低い」ことをいかにやらずに済ませるか。それが、時間の有効活用に直接結びつきます。
実は最も大切なこと
『7つの習慣』が勧めている「緊急度が低く、重要度が高い」ことをきちんと実行するためには、どうすれば良いでしょうか?
計画を立てる? タスク管理する? しかし、緊急度が高いことが割り込んでしまっては、どんなに精緻な計画を立てていても、綿密にタスク管理していても、実行することができません。
「緊急度が高く、需要度が低い」ことは、他人にまかせるという選択肢があります。事務所にかかってきた電話には秘書にでてもらい、重要な電話だけを取り次がせるという方法です。
これは費用がかかります。携帯電話にかかってくる電話には使えません。万能の方法ではありません。
緊急なこと自体を発生させないことが、大切なことなのです。緊急なことさえ発生しなければ、重要なことを重要度順に実施すればいいだけです。
緊急なことを発生させないためには、その可能性をあらかじめ潰しておくことです。事前に対策をとっておくことです。
ここには、リスク管理の考え方が使えます。緊急なことが発生する確率と発生した時の損害を掛け合わせ、大きなものから対策を立てます。小さなものは無視してかまいません。
リスク管理を考えれば、アンケートに電話番号など書くべきではありませんでした。