中国人アルバイトの男が、先輩調理師の理不尽な指導に怒り、いさかいとなった結果、包丁で刺すという事件がありました。
【衝撃事件の核心】「かに道楽」中国人バイトはなぜ先輩調理師を刺したのか…「灰汁とるな!」にキレ、背景に浮かぶ日中「仕事観の決定的な違い」(1/4ページ) – MSN産経west
この記事の中には次のようなコメントが記載されています。
日本人なら耐えられるであろう上司からの多少の理不尽や小言も、中国人にはあまりに耐えがたい苦痛なのではないかということだ。
事実関係は裁判に任せるしかありませんので、ここでは仕事観の違いについて考えます。
上記の記事では、日本人と中国人の仕事観の違いが、行き違いの原因だと解説していますが、これは違います。中国人だけではなく、欧米人も同じです。日本の若い人でも同じです。
先輩や指導者のいうことには、無条件で従わなければならないという考えは、もはやどこにも通用しません。
先輩や指導者の理不尽な仕打ちにも黙って耐えなければならないという前時代的な体育会の考え方をする人は、もはや古い考えから抜け出せない一部の人だけになっています。
儒教の目上の者を敬うという考えが、立場の上の者に都合よく解釈され、目下の者は目上の者に無条件に従うのが当然という考えを生んだのかもしれません。
かつては、未熟な指導者が暴力をふるったり、大声で恫喝したりすることも指導の一部と考えられたかもしれませんが、もはや時代遅れになったと考えるべきです。
私が学生だった40年以上前には、そのような考え方をする教師や先輩は珍しくありませんでした。
しかし、そのような教師や先輩は、恨まれることはあっても、尊敬されたり、感謝されたりすることはありませんでした。
スポーツにおける指導でも同じです。指導の名を借りた暴力はもはや許されません。
仕事でもスポーツでも、指導は合理的に行われるべきです。未熟な先輩や指導者の感情の爆発にまかせるような言動は、指導とは相いれないものです。
スポーツと暴力の関係については、次の記事もご覧ください。