ネットワークの高速化がコンピュータ処理の常識を変えていきます

 初期のパソコン通信の速度は300bpsでした。コンピュータの速度に比べ、ネットワークの速度は圧倒的に遅く、ネットワークの速度の遅さをいかに回避するかが、コンピュータシステム設計の一つのポイントでした。

 その後、高速回線のサービスは企業の基幹ネットワーク向けにはじまりましたが、端末に接続するときの速度は、長い間9600bpsまででした。ネットワークの速度が性能のネックになる状況は、あまり変わりませんでした。この状況が変わったのは、旧NTTがINS64のサービスを開始したときです。世の中では、SIS(Strategic Information System)といって騒ぎました。INS64により全国のコンビニがネットワークで接続されました。

 INS64は家庭でも一部使われましたが、あまり普及しませんでした。次に、各家庭のパソコンを接続するネットワーク速度が改善されたのは、ADSLのサービスによってです。ADSLはサービス開始当初から、光ケーブルが各家庭に届くまでのつなぎの技術と言われていました。ADSLにより通信速度はMbpsの単位になり、文字情報を送るためには十分な速度になりました。そのころからパソコンは動画を扱えるようになり、動画がネットワークでやりとりされるようになりましたが、そこでやりとりされる動画は、著作権を侵害するものやポルノグラフィーがほとんどでした。

 光ケーブルが家庭に普及することと並行して、DropboxやEvernoteなどのクラウドサービスが始まりました。高速のネットワークがあってはじめて、クラウドをパソコンの外部記憶装置として使うことが可能になりました。

 昔は、ネットワークがここまで早くなるとは、なかなか考えられませんでした。ネットワークは、コンピュータシステムの速度上のネックとして、常に存在していました。しかし、その制約がなくなった今、クラウドを含めて一つのコンピュータのように処理する方式が可能になります。コンピュータの性能を制限するものとして、CPUの速度、メインメモリの容量、外部記憶装置の容量およびそれらを結ぶ通信の速度があります。現在は、通信の速度が速くなり、外部記憶装置をクラウドに移せるようになったところです。これから、メインメモリやCPUがクラウドに乗るようなサービスもでてくると予想できます。手元に必要なものは表示装置だけです。処理はすべてクラウドで実行します。ネットワーク上で最適化された形で処理を実行しますが、あたかも自分が所有しているパソコンと同じように使えます。そんなクラウドコンピュータも夢ではありません。

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