空気を読み、皆がやっていることをその流れに乗って同じようにして、他人との関係を良好に保とうとする人がいます。しかし、これは間違いです。
人間関係を良好に保ち、コミュニケーションがうまくとれることは、あらゆる人間社会において、有利になる条件です。
相手を思いやることは大切です。人間関係も大切です。他人とのコミュニケーションをうまくとれない人は、仕事を進めていく上で大きな障害にぶつかります。
しかし、それは空気を読むこととは別です。皆がやっていることをその流れに乗って同じようにすることとも別のことです。
空気を読むとは、利己的なホンネをあいまいに隠し、他人を思いやりながら、誰の気持ちも傷つけずにすまそうというタテマエを察することです。
空気を読んで、意見をはっきり言わず、察することを重んじる人は、話さなければわからない人を切り捨てます。話さなくてもわかり合える仲になれないのなら、話してもムダと考えがちです。
これは、文化が異なる人を排除する考えです。現代社会は、さまざまな宗教や文化や習慣を持つ異質な人たちが、共存していかなければならない社会です。そこでは、話をして、お互いを理解することは不可欠なことです。
空気を読み、他の人と同じような行動をとることと、人間関係を良好に保つこととは、別のことです。話をして、お互いを理解しながら、人間関係を良好に保つことは可能です。
空気を読んで、長いものには巻かれ、皆がやっていることをその流れに乗って同じようにする人ばかりの国に未来はありません。