世の中には、数字が実態以上の意味を持って語られることがあります。しかし、そんな数字に振り回されることは、愚かなことです。
1.視聴率
テレビの視聴率は、テレビ業界の人にとっては、非常に重要な数字です。しかし、サンプル数が少なく信頼性に難があります。わずかな数字の上下は、意味のないことです。
2.TOEIC
英語のテストとしてビジネス界を中心に使われていますが、テストの内容は、リスニングとリーディングだけです。スピーキングとライティングはテストされません。
そのため、TOEIC向けの勉強だけをして高得点をとった人の中には、ろくに英語を話せない人がいます。また、得点の誤差は、プラスマイナス50点と言われており、数十点の変化は、英語の力が変わったことを意味しません。
スピーキングやライティングのテストは手間がかかるため、大人数の英語の力を計るためにはやむを得ないところがあります。将来は、構文解析や意味解析の技術を使ったライティングのテストや、音声認識を利用したスピーキングのテストなどにも期待したいところです。
3.PV
インターネットのWebサイトにアクセスした数です。しかし、読まれたとは限りません。検索サイトで検索して、開いてみたけれど、望むものではなくすぐに閉じた場合もカウントされます。
ブログであれば、よく検索されるキーワードを含む記事の数とGoogleで検索した際に上位に表示されるかどうかが、PVの数字に大きく影響します。そのため、上位に表示されるための細工もいろいろと行われています。
一方、Googleも表示順を決定するアルゴリズムを改善し、利用者に役に立つサイトが上位に表示されるようになってきています。それでも、PVだけでは実際に記事を読んでいる人数とは、隔たりがあると考えるべきです。
4.Klout
ソーシャルネット上の影響度を表す指標で、Facebook、Twitter、LinkedInの状況から計算しているそうです。まだ、参加人数も少なく、アルゴリズムの改善も行われているようですが、メッセージ類のやりとりだけから判断しているようで、おおざっぱな目安にしかならないという印象を受けます。
将来的にメッセージの意味まで解析し、精度があがることに期待したいと思います。
まとめ
これらの数字は、目安にしかなり得ず、数字の上下に一喜一憂してもあまり意味がありません。本来、力を入れなければならないものを忘れ、これらの数字だけをあげようと、あまり本質的でないことに力を注ぐことは、愚かなことです。
これらの指標も、改善を重ねていくでしょうが、あくまでも目安にしかなり得ず、努力を傾けるものを間違えてはいけません。