AmazonのKindleストアでは、誰でも無料で電子書籍を登録し、販売できます。そのためには、電子書籍を所定のデータ形式にしなければなりません。
Kindle用に作成した電子書籍データが、きちんと意図したとおり表示するかどうかを試すために、Amazonはプレビューツールを提供しています。このプレビューツールを使って、自分の作成した電子書籍データを試してみました。
現在のプレビューツールの最新バージョンは、2.85です。Windows版、Mac版、Linux版があり、KDP(Kindleダイレクト・パブリッシング)ヘルプページからダウンロードできます。
Windows版は、Windows7までの対応です。プレビューツールの以前のバージョンでWindows8にインストールを試みて失敗していますので、最新バージョンの2.85では、試していません。私は、Windows Vistaにインストールしました。
Googleドライブで作成したHTML形式の電子書籍データを、Kindle用のファイル形式であるmobiに変換したファイルを読ませました。プレビューツールではKindleの機種を選択して、表示状態を確認できるようになっています。設定した機種ごとにテストした状況を説明します。
1.Kindle Paperwhite
以前のバージョンでは、エラーとなり動きませんでしたが、バージョン2.85では、一番きちんと動きました。
目次および外部リンク、内部リンクはきちんと動きます。画像もモノクロできちんと表示されます。文字の大きさやフォントを変更できますが、フォントには明朝体やゴシック体はありません。日本語はゴシック体に近いフォントで表示されます。
2.Kindle Fire
最小のフォントサイズを選択しても、かなり大きな文字となってしまいます。とてもKindle Fireの一番小さいフォントサイズではありません。また、漢字のフォントがおかしな文字になっています。それ以外は、正常に動きます。画像はカラーで表示されます。
3.Kindle Fire HD
Kindle Fireと同じです。最小のフォントサイズでもかなり大きく表示され、漢字のフォントがおかしくなります。
4.iPhone用Kindle
章が変わるごとに改ページするようにしていますが、改ページされません。また、一部の漢字の表示がおかしくなります。それ以外は、正常です。
5.iPad用Kindle
iPhone用Kindleと同じです。改ページされず、一部の漢字の表示がおかしくなります。
まとめ
上記以外にも、ePub形式からmobi形式に変換したファイルを読ませたり、Mac版プレビューツールも試したりしましたが、エラーが出てうまく動きません。
Windows版プレビューツールでKindle Paperwhiteに設定するときちんと表示されるので、データはきちんとできているようにも思えます。KDPのヘルプには、きちんとデータを確認してから、アップロードするように書かれていますが、プレビューツールのバグのように思えます。そのため、これ以上プレビューツールにかかわるのはやめて、KDPにデータをアップロードすることにしました。
Amazonのレビューを経て、2013年4月30日からKindleストアで販売開始となりました。早速、自分で購入してみましたが、iPhoneでは読めません。「お客様のKindleはこのコンテンツをサポートしていません。お使いのデバイスのソフトウェアを更新する必要があります」と出てきます。Kindle PaperwhiteとAndroidのKindleアプリでは読めます。原因はわかりません。まだまだ苦労しそうです。