変わること、変わらないこと

コロンバイン

 私はIT業界に携わり35年目になります。35年前の技術は今では使いものになりません。その35年前の1943年では、コンピュータは実用化されていません。第二次世界大戦中で日本軍はガダルカナル島から撤退し、山本五十六が戦死した年です。

 このように考えると、現代は驚くべき速度で社会が変わっていると言えます。一方、何百年も変わらないことがあります。

 変わらないことの代表的なものは、人間に関することです。特に感情の動きです。数百年も前の物語を読んでも感動します。男女の愛情、親子の愛情、無償の愛、生きる歓び、反対に恨み、嫉妬、怒り、憤りなどの気持ちは変わっていません。

 体格などは、変わっています。江戸時代の日本人は現在よりも小さかったそうです。栄養状態などが影響しているのだと思います。

 社会制度や慣習はもう少し早く変わります。1945年まで日本では女性に選挙権がなかったことは、今の世の中からは信じにくいことかもしれません。農地解放も社会に大きな影響を与えました。それまでは、農村では冷害になると娘を売ることは珍しいことではありませんでした。

 男女雇用機会均等法も女性の社会進出に大きな影響を与えています。法制度の変更により、社会は、数十年のスパンで変わっていきます。

 産業構造も数十年単位で変わっています。繊維産業から化学工業、重化学工業と続き、1980年ころからはIT産業がもてはやされました。

 経済状況は、もう少し短いスパンで変化します。現在は、アベノミクスで株高、円安になってきています。2000年にITバブルがありましたが、しばらくデフレが続いていました。1989年をピークにしたバブル期の前は、高度経済成長期でした。

 技術の変化には、驚くべきものがあります。パソコンが発売されはじめた1980年頃の大型コンピュータは、現在のパソコンの1000分の1程度の性能です。この30年間でコンピュータで実行可能な仕事は大きく拡大しています。

 このような変化を踏まえずに、年配者が若者にどうこういうことは無意味です。社会制度、経済状況、産業構造は徐々に変わり、技術は急速に変わっています。自分の経験は、時代遅れになっていることを認識しなくてはなりません。

 変わることと変わらないことをきちんと区別しなくてはなりません。それでも、これだけあらゆることが変わっていても、人の感情の機微は変わらず、数百年前の物語に感動することに改めて感動します。

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