陰謀論には昔からさまざまなものがあります。最近もまた荒唐無稽なものがはびこっています。なぜ、陰謀論が流行るのか、どうして陰謀論に飛びつく人がいるのか考えてみます。
陰謀論とは
陰謀論というと、「それも陰謀論?」と思うような、単なる間違った意見について言う人もいます。そこで、ここでは、ある出来事について、一般的に知られている事実や背景は間違いで、誰かの陰謀により起こったとする意見のことと定義します。
強い権力を持つ者が、一定の意図を持って、真実を隠し、一般的に知られている情報を操作しているとする主張です。
陰謀論の生まれる理由
陰謀論が生まれるにはいくつかの理由があります。
理由づけ
人間の一般的性質として、何にでも理由づけしたがります。理由づけすることにより、記憶しやすくなります。そして納得します。
単なる偶然を偶然ということでは、なかなか納得できません。
まったく関係のない出来事でも、関連づけることにより、本当のような気になります。
これが、陰謀論が流行る一番の理由です。
裏を知ることによる優越感
もう一つは、一般の人とは違い、自分は真実を知っているのだという優越感を持ちたいという気持ちがあるためです。
自分は裏を知っているという優越感を持ちたいがために、裏を暴くような説を信じたくなります。
陰謀論をささやく人が、どこか優越感を持っているように見えるのはそのためです。
権力者に対する恐れと憧れ
また、権力者であれば、一般的に知られていること以上のことができるのではないかという恐れがあります。
それはまた、自分もそのような権力を握りたいという憧れの裏返しでもあります。
陰謀は本当にあるのか
それでは、陰謀は本当にあるのでしょうか?
現在の日本では、陰謀は存在しえないと思います。
一般人が知らないところで、犯罪組織が自分たちの犯罪を隠そうとして、情報操作することが陰謀に一番近いかもしれません。しかし、現在の日本では警察に暴かれます。
迷宮入りに近い事件もありますが、それは迷宮入りに近いことが世間に知られています。そのため、陰謀にはなりません。
警察と犯罪組織が結託するということも、現在の日本では極めて困難です。警察の活動には秘密の部分もありますが、かなり公にされています。
陰謀は、言論の自由や報道の自由が制限された社会にしか、存在しえないと言えます。