顕著な成果をあげていた組織が、いつしかまったくダメになる場合があります。
なぜそうなるか考える前に、良い組織とダメな組織とどのように違うか見てみましょう。
1.良い組織
(1)協力しあう
組織の目的の実現を目指してメンバーがお互いに協力し合います。
素晴らしいアイデアが浮かぶのは、その分野のエキスパートが話をしながら、アイデアを交換している時です。
お互いに不得手な部分は教えあい、一人では決してできない成果を達成します。
(2)活気がある
同じ目的に向かって、各メンバーが切磋琢磨しますからそのチームには活気があります。
皆が情熱を持ち、仕事場には笑いがあります。
2.ダメな組織
(1)足を引っ張り合う
組織の目的は一応ありますが、評価は個人の目標達成度で決まります。
個人の目標が、ゼロサムとなる目標では最悪です。
たとえば、全体の金額が決まっていて、AさんとBさんで、それを取り合うというような状況です。
AさんとBさんの足の引っ張り合いがおきます。
(2)ギスギスする
人の目もあり、表立って他人の足を引っ張れません。
裏で足を引っ張り合うことになり、組織がギスギスしてきます。
その結果、疑心暗鬼となり、ウツになる人もでてきます。
原因
この良い組織をダメな組織に変えるきっかけとなる代表的なものは、成果主義です。
個人個人の業績を曖昧な基準で評価し、昇進や昇給に大きな差をつけるとてきめんに変わります。
この問題を解決する方法はないのかもしれません。
完全に年齢や勤務年数だけで評価すると、優秀な人のモチベーションが下がります。
問題は、評価の妥当性をどう高めるかです。
部下も上司を評価し、隣の組織の同僚も評価する360度評価は、慣れ合いを招きます。
長い時間をかけて総合的に評価するしかありません。
日本の年功序列といわれる組織でも、長い時間をかけて評価が決まっていきました。
もしかしたら、それが最善の評価方法なのかもしれません。