炎上事件のはじまり

炎

 インターネットでは、しばしば炎上事件が起こります。インターネットの炎上事件がいつ頃からどのように始まったのか考え、仮説を立ててみました。

 インターネットが普及し始めた1990年代後半、テレビを見ながら、2ちゃんねるの実況板に感想を書き込んでいた人たちがいました。

 テレビはそれ以前から不特定多数に向けて放送されていましたが、テレビを見ながら感想を言っても、聞いているのは周りの人だけです。インターネットのなかった時代には、何百万人の視聴者が同じ番組を見ていたとしても、視聴者はせいぜい家族単位の小さな集団を形作っているだけでした。

 インターネットの普及と、テレビという不特定多数に放送されていた媒体とが一緒になったとき、そこに群衆が生まれることになりました。

 テレビを見ながら2ちゃんねるに感想を書き込むという行為は、群集心理を引き起こします。群衆は、ひとりひとりの性格が温厚で礼儀正しいとしても、全体としてはしばしば極端に走り、残酷にもなります。インターネットを介して集まった群衆も、ひとりひとりのメンバーの性格よりも、極端で口汚い人々になります。

 このような場では、考えたことと発言することの距離が縮まります。普段は熟慮し慎重に発言する人でも、興奮し考えずに発言するようになります。

 インターネットの普及が、考えることと発言することの距離を縮めたという説がありますが、少し違います。考えることと発言することの間には、人間の生物学的なプロセスあるいは意志が入ります。そこは昔から変わりません。考えたことをすぐに口にする人と、熟慮してから口にする人がいるところも変わっていません。

 群集心理が考えることと発言することの距離を縮めたのです。インターネットは、テレビと一緒になって群集心理を引き起こしやすくしました。

 インターネット普及前のパソコン通信の時代でも、人を口汚くののしったり、罵詈雑言を浴びせたりする人はいました。しかし、群集心理を引き起こすまでにはいたりませんでした。

 テレビを見ながら2ちゃんねるに感想を書き込むという行為が引き起こした群集心理は、テレビとは特に関係のない掲示板にも広がっていきました。そこでは、あたかもテレビを見ているかのように、自分は安全地帯にいる第三者として、好き勝手なことを書き込むようになりました。

まとめ

 テレビの謝罪会見などを見ながら2ちゃんねるの実況板に感想を書き込むことが、群集心理を引き起こしました。人は短絡的になり、口汚くなりました。これがテレビとは関係のない掲示板などにも広がったのが、炎上のはじまりではないかという仮説です。

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