これまでにないあたらしい働き方の会社が紹介されています。勤務時間中でもいい波が来ればサーフィンに出かける会社、日数制限がなくいくらでも休んでいいという会社などがあります。
しかし、これらの会社に入れば誰でもハッピーになれるわけではありません。自分に合う会社を選ばなければなりません。自分に合った働き方を選ぶために、考えておくべき41の要素を6つに分類して紹介しています。
ワークライフバランスという言葉がありますが、つらい仕事と楽しいプライベートと、完全に分けることに疑問を呈しています。仕事もプライベートも楽しいのが理想です。
「日本企業、とりわけ伝統的な大企業は、もしかすると『万人がハッピーになれると思える会社』を目指してきたのではないか」という指摘があります。その通りだと思います。
第二次世界大戦後の焼け野原から、欧米に追いつき追い越せと、皆が幸せになれるような会社を目指してきたはずです。経済が右肩上がりで、人口も増加していた高度経済成長時代までは、公害等の問題はありましたが、おおよそうまくいっていました。
私が会社に入った1979年ぐらいの時には、今日はこの仕事の課題を片づけるのだとワクワクしながら毎日仕事をしていた人がたくさんいました。変人扱いされ会社にも来ずに自宅で素晴らしい製品を開発していた人のうわさも聞きました。
バブルがはじけた1990年代ぐらいから『万人がハッピーになれると思える会社』を目指していては、会社の存続が危うくなってきました。実際に、いくつもの大企業がなくなりました。リストラも行われ、誰かがアンハッピーになることが選択されるようになりました。
「働きやすい会社」か「働きがいのある会社」かの問題も昔からの問題です。仕事を楽しむために「働きがいのある会社」を選ぶ人がいました。仕事とは、つらく、おもしろくないものだから、プライベートを充実させるために「働きやすい会社」を選択する人もいました。
現在は、本書で紹介されているような「あたらしい働き方」のできる会社も増えています。自分がどのような人生を歩み、どのような働き方をするか、そのためにフリーランスで働くのか、どこかの会社に勤めるのか、自分で考え、選択できる時代になっています。