本を出したいけれど、どうしたらよいかわからないという人はたくさんいます。そういう人のために、吉田浩さんの『本を出したい人の教科書』は、初めて本を書く人が知りたいことをまとめています。
本を書くネタの集め方、テーマの選び方、文章の書き方、読者ターゲットの選び方、本の売り込みの方法など、内容は多岐にわたります。
吉田さんは、本は誰でも出せるといいます。しかし、多くの人にとっては、何を書いてよいのかわからないというのが本音ではないでしょうか。
そこで、ここでは、本を書くテーマの見つけ方に絞って紹介します。
非日常体験
一流の作家は人生のどこかで圧倒的な体験をしています。極貧の生活であったり、奈落の底に落ちるような挫折であったりします。
それが、だれにもまねのできないテーマになり、ほかの人にはない視点や発想のもとになります。非日常的な体験が創作のエネルギーになります。
刑務所に入っていたことなどが非日常体験です。
非日常体験は、本のテーマとしては申し分ありませんが、だれもが持っているわけではないところが難点です。
1万時間の法則
ひとかどの仕事ができるようになるまでには、1万時間の修行や研鑽が必要だといわれています。1日3時間、10年続けた長さです。
あなたが1万時間を費やしてスキルを磨いたものがあるならば、それは本のテーマになりえます。
1万時間以上の時間をかけてスキルを磨いた人はたくさんいます。その中であなたが突き抜けている部分が本のテーマです。
あなたが1万時間をかけたスキルの中で、他の人にはないものがあなたの本のテーマになります。
人と関わる職業
人と関わる職業は、人の悩みを解決する職業です。悩みを抱えている人にとっては、その解決は一番の関心ごとです。
人の悩みの解決方法は本のテーマになります。あなた独自の解決方法は、格好の本のテーマです。
「浮気や離婚訴訟」「警察の裏側、ヤクザの実態」などの例があります。
身銭を切って体験したこと
あなたが身銭を切って、他の人が経験していないような体験をしているならば、それは本になります。
世界中を旅行して撮りためた飛行機の窓からの写真と、世界中で見聞きした体験をつづったエッセイが、例として上がっています。
自分でたくさんのお金と時間を使って手に入れた「ナンパの極意」を教える本の例もあります。
半径3メートル
男性にとってはお金と成功、女性にとっては恋愛と美容のように、身近なものが本のテーマになります。
半径3メートル以内にあるような身近なテーマの本は多くありますが、そこにどれだけ独自の他の人にないものがあるかが鍵になります。
なかなかない
本人は当たり前と思っていても、普通の人から見ると「なかなかない」と思えることは珍しくありません。
この「なかなかない」ことを見つける方法です。次のような質問をしてみます。
- 小さい時から好きなことは何ですか?
- 時間を忘れて没頭してしまうことは何ですか?
- 他の人がなかなかやっていないことで、あなたがやっていることは何ですか?
5つの輪
あなたの人生を振り返り、客観的に分析することによりテーマを見つけ出すことができます。あなたの人生の核となってきたものを次の5つの輪から見つけ出します。
お金
あなたが買い集めたり、サービスを受けたりしたものです。そこには、お金以上の価値を見出しているはずです。
フィギュアを買い続けた人がその写真集を出版した例があります。
時間
あなたが時間をかけたことです。時間はお金よりも貴重なものです。
専門性
職業以外に、特技や趣味があります。免許、資格などもあります。先祖代々の土地、家、仕事などもあります。
ネットワーク
情報と人脈です。あなたの発信している情報、受信している情報、つきあっている人などです。
ライフワーク
あなたが生涯をかけて続けていることです。やり残しては死ねないことです。
まとめ
本のテーマとして最も良いものは、一般的でありながら、あなたが突き抜けているものです。
一般的ですから、大きな市場があります。そこで突き抜けていれば、他の人にはない独自のことが書けます。
あなたもこれらの方法で、自分の本のテーマを探してみてください。