わかりやすく話すための本です。誰もがわかりやすい話し方を身につけたいと思っています。ここでは、私の印象に残った3点を紹介します。
1.「ひらがな」で話す
日本語は同音異義語の多い言葉です。特に漢語には、同音異義語がたくさんあります。読めばすぐに分かりますが、耳で聞いた場合には、前後の文脈から推測することになります。
同音異義語を聞き、文脈から意味を推測することは、聞き手に負荷を与え、わかりにくいと感じさせます。話をするときは、同音異義語のある漢語は極力避けることです。
2.「こそあど言葉」を使わない
「こそあど言葉」とは、これ、それ、あれ、どれなどの指示語のことです。いつも同じ人と話をしている人には、くせになっていることがあります。できるだけ使わないことです。
「こそあど言葉」を使うと、第三者に話がまったく通じない場合があります。誤解される可能性も高まります。
ブログなどの文章にも使う人がいます。「アレだから」などという言い方は、適切な言葉を思いつかないために使うのでしょうが、使うべきではありません。
3.たとえは相手に合わせて使う
たとえを使う時は注意しなければなりません。そのたとえのことを知らない人には通じません。本書では野球が例にあがっています。
野球でもサッカーでもルールをまったく知らない人はいます。そのような人に野球やサッカーにたとえた話をしてもわかりません。
人気のテレビドラマもそうです。テレビを見ない人もいます。テレビドラマを見ていない人にはテレビドラマのたとえは通じません
アニメや漫画も同じです。特にアニメや漫画は、世代により知っているものが違います。私は小学生のころ「鉄腕アトム」や「巨人の星」は見ましたが、その後のものはあまり知りません。
話をする相手が確実にたとえの対象を知っている場合を除き、たとえは使うべきではありません。
まとめ
話をするということは、何らかの情報を相手に伝えることです。そのためには、話す内容を相手に合わせなければいけません。
「こそあど言葉」を使っていけないのは、何を指しているのか、相手がわからないからです。たとえを使ってはいけないのは、相手に前提としている知識がないときです。
話が分かりにくい人は、多くの場合ひとりよがりです。相手の知識や経験などのバックボーンを考えずに、自分の基準を中心に話をしています。
相手を知り、相手に合わせた話をすることにより、わかりやすい話ができます。わかりやすい話し方を身につけたい人におすすめの本です。