ジャパゾン ― 書店で電子書籍発売 ― のねらい

電子書籍

 書店で電子書籍発売の実証実験を行うというジャパゾンがニュースになっていました。何をねらっているのでしょうか。

 電子書籍のメリットのひとつは、読みたいときにいつでもどこでも買えることです。このメリットを捨て、書店でネットよりも先に発売するということです。

 私は、紙の本と電子書籍と両方販売されているときは、電子書籍を買います。理由は、安い、軽い、かさばらないです。電子書籍の短所はパラパラと見るときの速度が遅いことです。

 書店で電子書籍を買うとすれば、電子書籍をどうしても紙の本を見てから買いたい時でしょうか。電子書籍は、最初の一部分を無料で見られます。それで満足できずに、紙の本を見たいことがそれほどあるとは思えません。

 価格も千円前後のものです。書店に行くまでの交通費や時間を考えたら、割に合いません。何かのついでに見ることはあるかもしれませんが、その時に覚えている保証はありません。

 しかも書店では紙の本と並べておくわけではなさそうです。電子書籍を買うためのカードを並べておくようです。

 調査によると、電子書籍の購入経験者ほど書店で電子書籍を買うかもしれないと回答した人が多いようですが、電子書籍に拒否反応が少ないため、書店でも買うかもしれないというレベルの話です。

 ネットでは未発売の電子書籍が書店では買える。そんなときに書店まで出かけていき、電子書籍を買う人がいるのでしょうか。

 船頭が多くて船が山に登ってしまったような話です。ジャパゾンに参加する企業では、論理的な判断ができないようです。アマゾンとの勝負はついてしまったと感じさせるニュースでした。

 電子書籍普及のネックになっているのは、自分の本の電子書籍化に反対している著作権所有者がいることと、権利関係が複雑で電子書籍化の合意がとれない書籍の存在だと思います。いずれも技術の進歩と時間が解決する問題です。

 出版社が取次や書店との関係を気にして、電子書籍化に踏み切らない場合があるのかどうかは知りません。

 電子書籍の普及に伴って、取次と書店の売上は減っていきます。すでに避けられない状況になっています。意味のない実証実験などを行うよりは、事業の転換や縮小を考えるべきです。

 書店が生き残る道は、読者に代わりおすすめの本をそろえ届けるサービスでしょうか。取次は書籍以外のものを扱うしかないかもしれません。

 間違っても、日本の人気作家の作品をアマゾンからは売らせない、などということのないことを祈っています。

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