AppleがiOS9で広告ブロック機能を導入したため、広告ブロック機能が注目されるようになりました。
Googleが大きな影響を受けているという話もありますが、仮定に基づく話ばかりで、本当のところは分かりません。
私は、『AppleがiOS9で広告ブロックを導入する理由』にも書いたとおり、大きな影響は出ていないと思います。
広告ブロック機能が話題になり、広告ブロック機能を持ったアプリのダウンロード数が増えましたが、ダウンロードした人のうち、どれだけの人が広告をクリックしていたのでしょうか?
広告をブロックするアプリをダウンロードするような人は、ITリテラシーが高く、もともと広告をクリックしない人です。
なによりネット広告のクリック数の88~98%はボットによると言われています。
ネット広告のクリック数のうち88~98%はボットによるものだと判明 – GIGAZINE
12~2%の人間のクリックが、ITリテラシーのあまり高くない人たちによるものです。
広告ブロック機能に対する対抗策
そうは言っても、広告ブロック機能に対する対抗策も出てきました。
広告除去機能のユーザーをブロックするニュースサイトが登場し開発会社とバトル勃発 – GIGAZINE
広告ブロック機能をインストールしているユーザーには、「広告ブロックがアクティブなので表示することができません」というメッセージを表示し、コンテンツは見せないという方法です。
コンテンツを見たい場合には、広告ブロック機能をはずさなければなりません。または、有料プランに登録すればコンテンツを見ることができます。
当然、広告をブロックする側からは、広告ブロック機能を検知されないための工夫が行われることになり、いたちごっこになります。
コンテンツ提供側は、広告か販売かで収益をあげなければなりません。広告を表示しないユーザーをブロックする権利はあります。
同様な争いは、以前テレビの録画機でもありました。テレビを録画するときにCMをカットする機能と、再生時にCMを早送りする機能がありました。
このときもいたちごっことなり、現在は15~30秒のスキップボタンやCMの開始・終了時に自動的にチャプターを挿入する機能などに落ち着いているようです。
利用者の対応
利用者が広告をブロックしたくなるのは、広告がじゃまだからです。特に記事の途中に挿入されている広告はじゃまです。
また、広告を表示することにより、通信量が増え、表示が遅くなります。通信料金も増えます。
ただし、広告から有用な情報を得ることもあります。
利用者は、広告も含めて、そのコンテンツを見るかどうかを判断します。つまり、リンクをクリックしても、つまらない広告だらけだったら、すぐに離脱します。
広告ブロック機能をインストールすることにより快適な環境が得られればインストールし、見たいコンテンツが見られなければ外します。たいして見たくもないコンテンツであれば、見られなくてもそのままにします。
結論
この問題はそのうちに落ち着くべきところに落ち着きます。
コンテンツ提供側は、広告も含めてユーザーに見てもらえるように工夫します。
ユーザー側は、自分の見たいものだけを見ます。広告がうるさすぎれば、そのサイトは見ません。コンテンツに魅力があれば、多少の広告は気になりません。広告が役に立つこともあります。
ユーザーが自分の見たいものだけを見られる環境を用意すれば、コンテンツ側もそういうユーザーに見てもらえるものを提供するようになります。
利用者としては、ウェブサイトごと、あるいは広告の位置ごとに、広告をブロックするサイトと、しないサイトを選択できるとありがたいです。
すると、ウェブサイトごとに、広告をブロックしているユーザーに見せないようにするところが出てきます。いたちごっこは変わりませんが、一律、広告をブロックしたり、ウェブサイト側でユーザーをブロックしたりするよりもましだと思います。