先日のWWDC2014で発表されたiOS8の新機能で私が最も注目したのはHealthKitです。
理由は、HealthKitはこれからのウェアラブルデバイスのプラットフォームとなる可能性を秘めているからです。
ウェアラブルデバイスというとグーグルグラスのようなメガネ型デバイスが注目を集めがちです。
メガネ型デバイスは両手がふさがった状態でも画面を見られるというメリットがあります。
手術や料理などの時に便利ですが、大型画面を壁につけておくだけで代替できる使い方がほとんどです。
また、メガネ型デバイスは相手に不快感を与えます。レストランで入場を拒否されたり、メガネ型デバイスをつけた人とは一緒に歩きたくないという人もいます。
このように考えると、メガネ型デバイスはウェアラブルデバイスの本命ではありません。
ウェアラブルの本命は健康・フィットネス
健康とフィットネスのために身体のさまざまな情報を収集する機能が、ウェアラブルデバイスの当面のカギとなります。
ウェアラブルデバイスが役に立つのは健康・フィットネスの分野です。
現在、FuelBandやFitbit Flexなどの活動量計・睡眠計が数社から発売されています。
GPSや高度計などで物理的な位置を計測することにより、走った距離や、坂であれば傾斜もわかります。
眼球の動きと周りの景色から何を見ているかもわかります。
心拍計や発汗状態を計測するセンサーでは、運動の状態だけでなく、興奮状態や心理状態もわかります。
血管に光を照射し血中の糖度などを計測することにより、食べた食事のカロリーや栄養成分がわかります。
センサーを小型化し、身につけやすくすることにより、身体のあらゆる情報をリアルタイムで計測できるようになります。
プライバシー問題もクリア
ウェアラブルデバイスで計測した運動・食事・睡眠と健康状態の情報を収集し、ビッグデータとして分析することも考えられます。
今までに知られていなかった医学上の新しい発見があるかもしれません。
ビッグデータを使う場合には、プライバシーが問題になる場合があります。
運動や食事、睡眠の状態をもとに、本人への健康上のアドバイスをフィードバックする仕組みであれば、抵抗感を感じる人も少なくなります。
まとめ
WWDC2014のHealthKitの発表で述べられたことはわずかですが、HealthKitには大きな可能性があります。
HealthKitを健康・フィットネス分野でのウェアラブルデバイスの実質的な標準プラットフォームとすることができれば、Appleは大きな市場を手に入れることができます。