総務省は、携帯電話会社が端末を他社で使えないようにしているSIMロックを解除させる方針を固めました。
このニュースに対して、ネットでもさまざまな意見が流れています。素晴らしいという人、あまり変わらないという人、iPhoneのシェアが大幅に落ちるという人、どれが本当でしょうか。
SIMロック解除でできること
SIMロックが解除されると何ができるようになるでしょうか。
MVNOが使える
あまりデータ転送量が多くなく月額費用を安くしたい人は、MVNOを利用できるようになります。MVNOとはdocomoやauの回線を二次売りするビジネスです。
データ転送量の制限がありますが、回線使用料が安くすみます。
海外のSIMが使える
海外に行くときに現地のSIMを使えます。
ただし、海外のSIMを使っているときは、普段使っているSIMを使えません。普段の電話番号にかかってきた電話を受けることはできません。
回線の解約を更新月にできる
携帯電話会社の2年縛りの回線を使っていた場合、2年ごとの更新月以外に解約すると1万円近い契約解除金を取られます。
スマホを新機種に替え携帯電話会社も替えたい場合、SIMロックのスマホでは、2年に一度の更新月の後に新機種が発売されると、新機種に乗り換えるときは契約解除金を払わなければなりません。
SIMロックが解除されると、更新月にSIMだけ交換し、スマホの新機種が発売されてからスマホを交換することができます。これができるのは、新旧のスマホがどちらもSIMフリーの場合です。
クーリングオフが利用できる
SIMフリー化とともにクーリングオフを認めさせる動きもあります。
クーリングオフが認められれば、実際に利用してみて自分の良く使う範囲での通信状態を確認することができます。
携帯電話会社やスマホのシェアは変わるか
確実に言えることは、MVNOのシェアが増えることです。
動画を見たり、大量のファイルのダウンロードをしたりしなければ、データ転送量はたいしたことはありません。
私は自宅のWi-Fiに接続しているとき以外は、動画を見ることもアプリをインストールすることもめったにありません。すると月当たりのデータ転送量は、1GBにもなりません。
私のような人がMVNOに変えることは十分に考えられます。
それ以外は、あまり変わらないと思います。
『予言!!総務省のSIMフリー化強制によって日本のiPhone率は大幅に低下する(はず) | More Access! More Fun!』の記事のように、iPhoneのシェアが下がると予想している人もいます。
2年縛りに伴う端末補助金は、SIMフリー化とはまた別の話です。SIMフリーとなっても、2年縛りを継続することはできます。
自社の回線を使い続けることが条件になりますから、商業的にも十分に成り立ちます。私は、SIMフリー化が2年縛りと端末補助金をなくすことにはならないと思います。
仮に、2年縛りと端末補助金が禁止された場合には、スマホ全体の売り上げが落ちることが予想されます。新機種に飛びつく人が減ります。しかし、それだけで安いスマホのシェアが伸びるとは思えません。
2年縛りと端末補助金をやめる時期が携帯電話会社で異なれば、その影響で携帯電話会社のシェアに変化はあると思います。
スマホの保有率は、やっと50%を超えたところです。レイトマジョリティが使い始めましたが、利用者の大半はアーリーマジョリティです。
スマホはまだ進化しています。進化しているものは、アーリーマジョリティは高機能のものを選びます。安いものを選ぶわけではありません。
3年後ぐらいには、スマホはレイトマジョリティにもいきわたり、新しい機能はたいしたものがなくなります。その結果、安いスマホが普及します。
そのときのシェアは各社のこれからのマーケット戦略により決まります。SIMフリー化の影響ではありません。