パソコンが消えるという幻想の生まれる理由

パソコン

ITは常に急速に変化していますが、技術の本質を理解していないと、方向を見誤ります。最近もパソコンが間もなく消えるという意見を見かけました。

NRI楠真 強いITはココが違う – エリソンの話で確信した、パソコンは間もなく消える:ITpro

エリクソンとはOracleの会長です。記事の内容を簡単に要約すると次のようになります。

これからはクラウドの時代だ。AmazonやGoogle、Facebookの時代だ。IBM、HP、SAPは負け組で、OracleやMicrosoftが必死に追随している。Oracleはクラウドアプリケーションでトップの座を目指している。

それに対し、日本のベンダーには、クラウドに適したアプリケーションで、新しい挑戦をしようというところはない。

インターネットを利用するのにパソコンを使う人はほとんどいなくなり、みんなスマートフォンを使っている。10年前はインターネットといえば電子メールであったが、今では電子メールにはスパムばかりが来て面倒だ。

これからWindows 95が発売されて以来の大きな変化が起きる。クラウドがパソコンを駆逐していくに違いない。

総務省|平成26年版 情報通信白書|ICTの利用環境の変化』によると、日本におけるスマートフォンの普及率は53.5%で、パソコンは86.9%です。インターネットを利用するのにパソコンを使う人がほとんどいないということはありません。

日本でインターネットの利用が始まったときには、すでにウェブサイトがありました。10年前には個人がブログで情報発信をしていました。mixiは2004年にオープンしています。「10年前はインターネットといえば電子メール」というのは奇妙な感じを覚えます。

いまだに電子メールでスパムに悩まされているというのもおかしな話です。どのメールサービスもスパムフィルターは高性能になっています。無料メルマガをスパムといっているのかもしれませんが、ほとんどの無料メルマガは登録解除すれば来ません。

Windows 95の発売は華々しく行われましたが、技術的なブレークスルーはインターネットの方がはるかに大きなものです。ビル・ゲイツはWindows 95を発表した時点では、インターネットの重要性に気づいていませんでした。あとからあわててインターネットへの対応を強化し、Internet Explorerをリリースしました。

クラウドが広まっていくことは間違いありませんが、パソコンを駆逐することはありません。クラウドと人間とのインターフェースが必要です。

スマートフォンがパソコンに代わると考える人もいますが、大量の文字を入力するときには、ハードウェアキーボードより早いものはありません。

音声認識はキーボード入力の速さにはかないません。少しの訓練で、話すよりも早く入力できるようになります。

情報発信する人にはキーボードは必須の機器となります。

スマートフォンやタブレットとキーボードの組み合わせもあります。私も2年以上前に試してみました。スマートフォンやタブレットとキーボードを別々に持ち歩くよりは、薄く軽いノートパソコンを持ち歩いた方が便利です。専用のキーボードがついたタブレットはパソコンの一種と考えるべきです。

キーボードとディスプレイだけの端末を考えることもできます。Chromeブラウザだけが使えるChromebookのようなものです。しかし、インターネットに接続できない場所があることを考えると、パソコンの方が便利です。Chromebookもオフラインでも使えるようになっています。

クラウドがどんなに発展しても、情報発信する人にはパソコンが必要です。クラウドがパソコンを駆逐することはありえません。

クラウドが駆逐する可能性のあるものは、企業などに設置されているサーバです。それでも高い機密性を要する業務では、サーバも自組織で管理し、他社のクラウドを使うことはありません。

パソコンが消えると考える人は、以上のようなことを理解していない人です。

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