ウェブマーケティングの教科書的な本がないかと探していて見つけました。ウェブマーケティング全体を概観でき、これからの学習の道しるべになりそうです。
ここでは、『Live! ウェブマーケティング基礎講座』から私の印象に残った3点を紹介します。
リスクマネジメント
ウェブサイトのリスクマネジメントと言ったら何を思い浮かべるでしょうか? 情報漏えい? 不正アクセス? それももちろんあります。
しかし、それだけではありません。インターネットの広告表現のリスクもあります。「ナンバーワン」などの表現は、根拠がなければ景品表示法の優良誤認に該当する可能性があります。食品や健康器具では、薬事法に従わなければなりません。
発注や受注に関するリスクもあります。外部企業に発注するときに何をどのレベルまでという要件定義の問題や、意図がうまく伝わるかというコミュニケーションのリスクがあります。
本書にはこのように広い範囲のリスクが含まれています。
私が長年携わってきた大型システムの開発では、受注時の要件定義の問題は非常に重要です。個人事業主の中には、そこがうまくできずに、苦労されている人が多いように感じます。
メールマーケティング
メールによる個々人へ直接アプローチするマーケティングです。多くの場合、メルマガの形式で行われます。
メールの場合、迷惑メールとして扱われてしまい相手に到達できない場合があります。また、受信ボックスに到達しても、開封されない場合もあります。
本書には、開封されたかどうか判断するためにHTMLメールを使う例が書かれていますが、これはあまり良い方法ではありません。スパムメールがよく使っていた手なので、HTMLメールというだけでブロックされてしまいます。
私の場合、メルマガは差出人で振り分け、多くのメルマガはまったく見ません。解除するのも面倒なのでそのままにしています。
一部のメルマガはタイトルによっては開きますが、どうでもいい前置きが長いなど、面白くない文章だとそこで閉じます。それが数回繰り返されるとまったく見ないメルマガの仲間入りです。
結局、じっくり読むメルマガはごく一部になります。メルマガは、読者数よりもじっくり読んでくれる人がどれだけいるかが大切です。
ソーシャルメディア
ソーシャルメディアでは、LINEとFacebookとTwitterを3大プラットフォームとして説明しています。それぞれ特徴と利用者の性質について分析しています。
LINEは利用者が多いですが、宣伝がうるさいと思われたらすぐにブロックされます。Facebookは仕様がしばしば変更され、ここ数年でだいぶ変わりました。仕様の変更に合わせた使い方が大切です。Twitterは連鎖による人気の爆発が起きやすいですが、使っている人に偏りがあります。自分が売ろうとしているものによる使い分けが必要です。
おわりに
ウェブマーケティングをひととおり学ぶにはいい本だと思います。より深く知りたいことについて学ぶために、参考図書も豊富に示されています。