早起きしようとか、ダイエットしようとか、変わろうと思ってもなかなか変われないものです。また、組織を変えようとすることは、他人も絡むためにさらに困難です。しかし、変える方法があります。
人は常に苦痛や快楽を感じる「感情」と、じっくりと考える「理性」の間で動いています。感情は「象」、理性は「象使い」と表現されています。象使いは、象をコントロールしているように見えますが、象よりもはるかに小さく、不安定です。象と象使いが争うと象使いに勝ち目はありません。
感情的な「象」と理性的な「象使い」にうまく働きかけて、「変わる」方法があります。概要を紹介します。
1.象使いに方向を教える
理性的な「象使い」に働きかけて変わる方法です。どのように変われば良いのかわからないときの方法です。
(1)ブライト・スポットを手本にする
他の人、他の組織などで、うまくいっているところがないか探し、あればまねをします。うまくいっていることをまねするという単純な方法です。
(2)最初の一歩を教える
小さくてもかまわないので、最初に行うことを教えます。何から手をつけていいのかわからないときに有効です。
(3)目的地を示す
目的は何か、目的を達成するメリットは何かを理解させます。何をめざせば良いのかわからないときは、目的を明確にします。
2.象にやる気を与える
変わらなければいけないこと、どのように変わらなくてはいけないか、それがわかっていても、人はなかなか変われません。感情的な「象」に働きかけなくてはいけません。
(1)感情に訴える
感情を動かすための演出を行います。衝撃的な映像を見せたり、感動的な物語を聞かせたりします。
(2)変化を細かくする
遠大な目標を与えられただけでは、気が遠くなります。とりあえず達成すべき小さな変化を示します。また、既に少し進んでいることがわかるようにします。
(3)人を育てる
変わろうとする人の決意、覚悟、やる気をはぐくみます。また、変わろうとする人に誇りを持たせます。良いことをしているという意識を持たせます。訓練により能力が向上することを体験させます。
3.道筋を決める
(1)環境を変える
行動を変えやすいように、環境を変えます。
(2)習慣化する
変えたい行動を習慣にします。
(3)仲間を集める
同じように変わろうとしている人を探して、一緒に行動します。
まとめ
具体例は、本書にたくさん記載されています。変わるための正攻法です。