本書は、『ビジネスモデル・ジェネレーション』の手法を個人に適用したものです。『ビジネスモデル・ジェネレーション』については、以前ブログに書きました。
『ビジネスモデル・ジェネレーション』については、内容よりも斬新な本の執筆方法に目を奪われました。しかし、その手法を個人に適用することにより、すばらしいことが起きました。訳者の神田昌典さんは、「十年に一冊でるかでないかの良書である」と解説に書いています。決してオーバーではないと思います。
本書では、ビジネスモデル・キャンパスとして、個人の活動を次の9つのブロックにわけています。
1.顧客
2.与える価値
3.チャネル
4.顧客との関係
5.収入
6.キーリソース
7.キーアクティビティ
8.キーパートナー
9.コスト
本書を読みながら、それぞれのブロックごとに自分の仕事について考えていきます。そして、自分の仕事にとって真に大切なものを付箋紙に書き、該当のブロックに貼り付けていきます。こうして、パーソナル・ビジネスモデルを作成します。
ひととおり貼りつけたあとは、自分自身の再発見をします。自分自身の再発見のために次のような方法が示されています。
「ライフ・ホイール」で、自分の関心事を確認してください。「ライフ・ホイール」とは、関心のある分野の満足度を円グラフで表したものです。
「私はどんな人」という質問に答えてください。そのために、自分が子供の頃に好きだったことを思い出します。次に、自分の実生活における役割を洗い出します。例えば、夫、父、教師、息子、兄弟、音楽愛好家といった具合です。自分の役割ごとにワクワクすることを書きだします。自分の役割に優先順位をつけます。順に眺めていくと、ワクワクするものの共通項が浮かび上がってきます。最後に、役割ごとのビジネスモデル・キャンパスを作ります。
自分の「関心」と「個性」と「スキルと能力」の共通部分であるキャリアの「スイートスポット」を探してください。キャリアの「スイートスポット」は、『第8の習慣』のボイスと同じです。ボイスでは、「才能」「情熱」「良心」「ニーズ」と表現しています。
まず、ライフラインを描きます。人生の中で良かった出来事、悪かった出来事を、時間軸に沿って書きだします。それぞれの出来事を簡潔に描写し、再認識します。自分の「関心」と「個性」と「スキルと能力」がわかってきます。
職業への関心から、個性の傾向を見つけてください。個人の資質が書かれたリストから自分に当てはまる資質を選び出します。身近な数人の人にも、あなたの資質を選んでもらいます。選んだ資質について、なぜ選んだのか話し合います。
次の質問に答えてください。
「あなたが一番に取り組んでいることは何ですか?」
「あなたの目的は何ですか?」
2年後に、大きなメディアがあなたの成功物語を取り上げていると想像してください。その特集記事を書いてください。
次の3つの質問に答えてください。
「あなたが充実していると思えた時のことを出来るだけ詳しく書いてください。」
「目標となる人とその理由とその人を表現する言葉を書いてください。」
「あなたがこの世を去った時、どのような人として友達に覚えてもらいたいか書いてください。」
次の課題を、それぞれの課題を達成したら7億円もらえると仮定して、考えてください。
「最初の1年間で新しいことを学習するとしたら、何を学びますか?」
「次の1年間で社会活動を支援するとしたらどんなプロジェクトを選びますか?1年間でプロジェクトを選び、2年目の終わりには7億円を寄付しなければなりません。」
課題を終えたあとは、手元の7億円でどんなライフスタイルを楽しみますか?
目的宣言文を作成してください。目的宣言文は、活動内容、対象、対象への働きかけ方を含み、次の形式で作成します。「私はこの活動を通して、この人をこのように助けたい」
以上のようなエクセサイズを実施した後、パーソナル・ビジネスモデルをもう一度描きます。その際、パラダイムシフトを行い、固定観念を越えた発想が必要です。最後に、パーソナル・ビジネスモデルと現実とのマッチングを行います。
まとめ
このようにして作成したパーソナル・ビジネスモデルは、あなたの今までの生活を一変させる可能性があります。