ネット選挙が解禁され、芸能人の争奪戦が繰り広げられているようです。以前から、芸能人が立候補すれば、票を集め当選していました。ネット選挙では、芸能人の「いいね!」やリツイートを期待しているようです。
芸能人が、自分の支持する政党や候補者を応援するのは自由ですが、お金を渡して「いいね!」やリツイートを依頼すれば買収になります。
お金を渡して投票を依頼することは、買収として禁じられています。選挙でお金を渡せるのは、選挙カーに乗るウグイス嬢などあらかじめ届けられた人だけです。
食べログでも以前サクラが問題になりました。自分が食べてもいないもの、食べたとしても自分が本当においしいと思ってもいないものを、お金を渡されていることを隠して、人に薦めるという行為を許せないと感じるからです。
ネット選挙で芸能人が何らかの形で見返りを得て、政党や候補者の投稿に「いいね!」やリツイートをするならば、見返りを得ていることを明言していない限り、サクラと同じです。
選挙に関する投稿に「いいね!」やリツイートをするということは、自らの政治信条に基づいて行っていると解釈されます。夏の参院選では、支持政党や支持する候補者を明確にする芸能人が多数でてくるのかもしれません。
芸能人自らが立候補した時は、多くの票を集めることが実証されていますが、芸能人が「いいね!」やリツイートした時は、どれほどの効果があるでしょうか?
インターネットが普及しているといっても、FacebookやTwitterをやっている人はITリテラシーの高い一部の人です。このITリテラシーの高い一部の人の中に、芸能人が「いいね!」やリツイートをしているからといって、自分の投票に影響を受ける人がどれだけいるでしょうか。
選挙で芸能人に投票する層と、FacebookやTwitterを使いこなしている層とは、あまり重なりません。また、芸能人のフォロワーが候補者の政策に賛同するかは分かりません。
多数のフォロワーを持つ人の応援は、政党や候補者にとって自らの政策を多くの人に知ってもらう助けになります。しかし、そのまま投票に結びつくとは限りません。
フォロワーの多い人の応援を得られれば、投稿の到達範囲は広がりますが、それはそのまま得票に結びつくものではありません。
当選のためには、自分のサイトをじっくり読んでもらい、自らの政策を知ってもらうべきです。「いいね!」やリツイートは、その機会を増やす手段でしかありません。