日本では、憲法により言論の自由が保証されています。言論の自由には、自分が言ったことへの責任が伴います。
嘘を言えば、嘘を言った責任が問われ、間違いがあれば間違いの責任が問われます。何を言っても、そのあとは知らないということはありません。
そういう常識が通じないと思われる世界が、匿名で行われるネットの投稿です。
実際には、警察権力によりプロバイダを調べれば、発言者の特定はほとんどの場合可能です。完全な匿名ではなくても、匿名だと思い込んで投稿している人も多いと思います。
現在であれば、Twitterでしょうか。感情にまかせた投稿や、元の情報を確認していない思いつきの投稿などが目立ちます。
誹謗中傷、罵詈雑言、日常生活ではけっして口にしないと思われることでも、匿名だと思ってか、書き込まれます。
このような投稿は読むに堪えません。読む価値もありません。
気になるのは、いわゆる炎上状態になり、投稿が拡散すると、それが多数意見のように見えることです。実際には、あまり深く考えていない人が、反射的にリツイートをしているだけです。
ITリテラシーの低い人が、自分の投稿が全世界から見られることも知らずに、仲間内の内緒話のように不適切な投稿をすることもあります。
各種のネットのサービスでは、完全な匿名ではないこと、世界中から見られること、違法行為をすれば捕まることぐらいは、初めて使う人に示した方がいいと思います。
昨年の夏に発生した冷蔵庫に入ったとつぶやいた事件は、本人や店などに大きな損害を与えました。
ネットの嘘や作り話をネットの文化だと持ち上げる意見を見ることがあります。これがネットの文化だとすれば、持ち上げてはなりません。なくさなければならないものです。
フィクションはフィクションだと明示すべきです。作り話を本当の話のようにいうことは、許されません。
ネットでの匿名の投稿であろうと、書いたことには責任が伴います。