製造業からサービス産業への転換が必要|『製造業が日本を滅ぼす』

 日本の製造業が危機的状況になっています。東日本大震災やタイ洪水などの一時的要因や、異常な円高が原因と言われています。しかし、著者の主張を要約すると次のようになります。

1.円高は必然

 円高は、リスクがある新興国の株式や欧州の国債から、安全資産である円に投機資金が流入しているための一時的な現象ではなく、物価上昇率の差や金利差がもたらす必然の結果です。2011年の日本の貿易収支は赤字となりましたが、この状況下では、円高は日本を助けることになります。為替介入は効果がなく、無駄に終わるため、すべきではありません。

2.製造業の海外移転は必須

 円高は必然の結果のため、円安に戻ることを待っていては、製造業は滅びます。製造業は海外移転しなければなりません。円高に加えて、原発問題から発生した電力不足も製造業の海外移転を加速します。

3.国内雇用を確保するために新しいサービス産業が必要

 製造業の海外移転に伴い、国内雇用が減少します。現在は賃金の安いサービス業が国内雇用を受け入れているため、所得が下がりデフレとなっています。デフレ脱却のためには、金融などの高度なサービス産業を立ち上げなければなりません。

 著者の主張は、おおむね妥当だと思います。2012年3月決算で、日本の電機産業が軒並み赤字となったのは、他の製造業と比較して、海外移転が遅れていたためと考えられます。

 製造業を中心とした日本の産業構造を変えない限り、日本の衰退は続きます。生産拠点を海外に移転するか、OEM、EMS、ファウンドリなどを活用し、自らはファブレス企業となり、国内では運用・保守などのサービス産業で雇用を確保するしか、日本の製造業の生き残る道はありません。

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