奇妙な調査をネットで見かけました。
A4は縦?横?ビジネス文書の常識 | web R25
ビジネス文書の紙の向きをどうするかとか、元号を使うかとかを調査した結果です。
ビジネス文書の体裁は、ほとんど合理的に決まっていると思っていたので、そうでない回答もあったのが意外でした。
会社で決められているからとコメントした人が多いということですが、合理的に決まっていることに気づいていない人が多いということでもあります。
元号の利用
年の表記に元号を使うか、西暦を使うかですが、これは文書を提出する相手で決まるのではないでしょうか。
役所に提出する文書は、元号を使います。
海外の企業に提出する文書は、西暦を使います。
国内の民間企業に提出する文書はどちらでもいいですが、海外の支店などがある場合もあるので、西暦を使う方が便利だと思います。昭和・平成・令和をまたぐ期間を計算するときなどは、西暦の方が圧倒的に便利です。
A4の紙の向き
文章が主体で、紙で提出する文書であれば、A4縦長で使います。プレゼンテーションでスクリーンに投射するものであれば、A4横長になります。
図面であれば、横長になることが多いです。1ページ全体がひとつの図面になるときは、ほとんど横長になります。PowerPointが横長のためもあると思います。
問題は縦長と横長が混在するときです。横長のページの上方向を縦長のページの左方向と合わせて綴じます。逆方向でも片面印刷の場合は読めなくはないですが、両面印刷の場合は、不自然な向きになります。
また、両面印刷では、長辺を綴じます。横長のページで短辺を綴じる体裁は、縦長の文書と一緒に綴じたときに、ページごとに文字の向きが変わり読みにくくなります。
綴じ方
横書きであれば、左側を綴じることになります。
右綴じという回答があることに驚きを感じますが、A4で縦書きをするのでしょうか。
A4を横長に使って、縦書きにした文書は見たことがあります。小説を書く人が使っていた体裁です。しかし、ビジネス文書では見たことがありません。
おわりに
B5やB4の紙を使うという選択肢がなくなっていることに時の流れを感じます。政府が1993年(平成5年)4月に行政文書のA4統一に踏み切る前は、役所ではB5やB4の文書が使われていました。B5は縦長に使い、B4は横長に使い2段組みにしていました。
A4革命という言葉もありましたが、それまでは、B版の紙とA版の紙が混在して、非常に不便でした。もう2度と戻ることはないと思います。