経験を積むにつれ組織の階段をのぼり、権限、収入などが増していき、退職後は年金をもらい悠々自適な暮らしをするという仕事人生は、過去のものとなりました。日本だけでなく米国も同じような状況です。
若者は失業の憂き目にあい、中年層は昇進の可能性を奪われ、高齢者は仕事を辞めるに辞められない社会になりつつあります。
そんな社会で生き延びるためにはキャリアの転換が必要です。それが、「スタートアップ」の発想です。「スタートアップ」とは、常に起業家精神を持ち、自分の人生を切り開いていくことです。
ここでは、「スタートアップ」に必要な6つの方法を紹介します。
1.競争上の強みを身につける
自分の競争上の強みは、資産、大志、市場環境から見つけます。
(1)資産
資産とは、いま自分が持っているものです。自分の得意分野の知識、技術、評判、人脈などのソフトな資産とお金やコンピュータなどのハードな資産があります。資産は投資により、拡充できます。
(2)大志
大志とは、将来に向けての目標です。大志は、行動や経験を通して生まれ、進化していくものです。
(3)市場環境
市場環境とは、自分を取り巻く環境です。市場環境を調査し、何が必要とされているか、何に報酬を払ってもらえるかを見つけます。市場環境の大きな潮流に乗らなければなりません。
資産、大志、市場環境を組み合わせ、競争上の強みを見つけます。これらは常に変化しています。うまく組み合わせて、競争の少ない場所を選べば、優位性を発揮できます。
2.三つのプランをつくる
キャリア・プランとして3つのプランをつくります。
ひとつは、現状です。いま、自分が競争上の強みをどう活かしていくかです。
ふたつ目は、目標やそこへたどり着くルートが変わった場合に採用するプランです。一般にこのふたつは大枠では同じです。
最後は、いざというときの備えとしてのプランです。
各プランは自分の競争上の強みを元につくり、具体的でなければいけませんん。実践を通して、学び続けられるプランが望ましいプランです。
プランは、試行錯誤を繰り返しながら、手直しをしていきます。競争上の強みは変化するので、あまり先を見ても意味がありません。二手先を考えながら進めます。
転職しても持ち続けられる職業上のアイデンティティを持つようにします。
3.プロフェッショナル・ネットワークを築く
人脈づくりのコツは、相手の立場になって、まずは与えることです。GIVEの5乗です。知り合う機会のない人を紹介するか、なかなかできない経験をする機会を提供できれば、喜ばれます。
TwitterやFacebookなどのソーシャルネットワークのおかげで、ゆるやかなつながりをつくりやすくなっています。テクノロジーの進歩を活かさない手はありません。
4.機会を見つける
アンテナを高くして好奇心を発揮していると、偶然の幸運や素晴らしいめぐり会いを引き寄せます。
グループや団体に所属するとチェンスとの出会いが増えます。熱心な活動、機転を利かせた行動、粘り強い態度はチャンスをつくり出します。
大きなチャンスは、自分の都合に合わせてはくれません。あいまいさや不確実性を伴います。チャンスを逃してはいけません。
5.賢くリスクをとる
リスクは見極めて、うまく付き合わなければなりません。最悪のシナリオに耐えられるならば、そのリスクはとってもかまいません。
他の人がリスクを過大に評価しているならば、それは自分にとってチャンスです。逆境への強さを身につけることも必要です。
6.情報網から知恵を引き出す
人脈を知恵袋にして、必要な情報を引き出しましょう。人脈全体に質問を投げかける方法と、特定の相手に直接質問する方法があります。
質問の仕方にも気を配りましょう。偶然の幸運から情報や知恵を手に入れる場合もあります。情報をまとめて行動につなげましょう。