ゲームは頭を良くするか?

 チェスや将棋、囲碁などのゲームをすることにより、頭が良くなるでしょうか。テレビゲームにより人間の能力は向上するでしょうか。

 実験の結果は出ています。そのゲーム特有の狭い範囲の能力は、確実に向上しますが、人間の能力全般を向上させるものではありません。チェスと将棋は似ていますので、チェスの強い人は将棋も強いとは言えそうです。飛行機の運転シミュレータもゲームのようなものですから、飛行機の運転に関する能力は向上しますが、まったく操作が異なる乗り物の運転能力向上には役に立たないといえます。

 エドガー・アラン・ポーが『モルグ街の殺人』のなかで、登場人物に語らせています。「チェスの名人はチェスの名人にしか過ぎないが、ホイストの名人はホイストの名人であるだけでなく、人と人がしのぎを削る場面でも勝利を得る。」ホイストというのは、コントラクトブリッジの元になった、トランプゲームです。

 日本ですと、麻雀の方が一般的です。麻雀は運の要素を小さくしたルールですと、上級者間の勝負は心理的な駆け引きが大きな要素を占めます。私も大学生の時に少しやりました。

 私が、最高得点が得られる手であがれる状態になったのは、他のプレーヤーが同じ牌を続けて捨てると思わせる動作をして、一つ目の牌を捨てた直後でした。その牌は、私があがれる牌でした。二つ目が捨てられると思ったのですが、そのプレーヤーは私を警戒して、その牌を捨てませんでした。同じ牌は4枚ありますが、他の3枚は既に捨てられており、それは私があがれる最後の牌でした。

 そこで、私は最後の周で、自分の手から安全な牌を捨て、取ってきた牌は見もせずに伏せたままにしておきました。私はあがりをあきらめたふりをしたのでした。それを見て、私のあがり牌を持っていたプレーヤーは、安心してその牌を捨ててきました。ところが、取ってきた牌の種類によっては、私はまだあがることができるのでした。私は伏せてあった牌を確認して、その牌をそのプレーヤーに見せました。その時の顔は忘れません。私はあがったのでした。

 麻雀を知っている人向けに書くと次のようになります。

 下家が、牌を2枚つまんで右端に移動し、その1枚を捨てました。「白」でした。その直後、私は国士無双を「白」待ちで、テンパリました。下家は、私を警戒して、その後「白」を捨てませんでした。その「白」は最後の牌でした。そこで、私は、最後の周に、雀頭であった「中」を捨て、つもった牌は盲牌もせずに伏せたままにしておきました。それを見た下家は安心して、「白」を捨ててきました。私が伏せたままにしていた牌は「九萬」でした。私は国士無双をあがりました。

 このような、相手の心理状態や考えを読み、行動を予測して、こちらの手を決めるということは、広い範囲に応用が利きます。エドガー・アラン・ポーも同じ意味で先のことを書いたのだと思います。

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