文章作成にITがおよぼした革命は予想以上でした

 1978年に初の日本語ワードプロセッサJW-10が東芝から発表されたときは、文書作成の革命を予感しました。当時の日本語タイプライタは、盤面から選択した文字の活字をひろって、一文字ずつ打つものでした。主に浄書用に使われ、書類によっては修正が許されず、間違えた場合には最初から全文打ち直しになっていました。そのため、書類の最後に近づくにつれ、タイピストのストレスは急激に上昇していました。

 日本語ワードプロセッサは、当初、きれいな書類を作成する目的で使われていました。日本語ワードプロセッサで作成した文書に間違いを見つけた人が、修正液で文字を消して、手書きで正しい文字を書くということが行われていました。日本語ワードプロセッサの修正機能よりも、印刷品質に近い文書が手軽に作成できることが重要視された証拠だと思います。

 日本語ワードプロセッサは、パソコンのワープロソフトに取って代わられ、ビジネス文書は、ほとんどワープロソフトで作られるようになりました。その時に重宝したのが、修正機能です。テンプレートとなる文書を作っておき、一部を修正して使い回していました。

 その後、電子メールが普及してくると、仕事で手書きの文字を書く機会が、めっきりと減ってきました。それでも、文章の修正機能が最も便利な機能として使われていました。

 昔は、文章が書けない人が結構いました。KJ法を解説した『発想法』でも、KJ法は文章が書けない人にとって、文章を書くためのツールとなると説明していました。

 文章が書けない理由は、断片的な文までは書けるけれども、それらが流れるようには出てこないためです。頭の中で文章を組み立てることが苦手なのかもしれません。

 小説家などは、一つの文が、次の文を生み出し、流れるように、一気に文章を書き上げることがあると言います。校正も不要なぐらい完璧な文章としてわき上がってくるようです。文章が書けない人には、それが、まったくできません。

 KJ法では、断片的な考えをカードに書き出し、それを並べて、全体を眺めます。そうすると、仲間となるカードが見えてきます。それを一つにまとめて、表題をつけます。まとめた束も1枚のカードのように扱います。それを繰り返すと、全体がなんとなくまとまります。まとまったカードを順番に文章に起こしていくと、なんとか文章が書けます。

 ワープロは、これを画面上で簡単にできるようにしました。思いついた単語、文節、文などを片っ端から書き込んでいきます。ひととおり終わったら、仲間となりそうなものを近くに集めます。それを文章としてまとめていきます。KJ法でカードを使い行っていたことを、画面上で行うわけです。

 これで、文章が書けます。時間はかかりますが、校正を繰り返せばわかりやすい文章にもなります。そして、この使い方が、日本語ワードプロセッサが世に出たときには、予想できなかった使い方です。

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