大企業で何年も働くと優秀な新入社員も毀損されると言われています。
その典型的なパターンについて考えてみました。
1.パートナー会社への委託
会社が受注した仕事を社員だけでこなしきれない場合、一部をパートナー会社に発注することになります。
どの仕事を社員が行い、どの仕事をパートナー会社に発注するかは重要な経営判断になります。
デルは、ROIを高めるためにパソコンの製造を台湾のASUSに発注していましたが、その結果、デルに残ったのはブランドだけとも言われています。
会社の事業戦略上、重要度が低いと会社が判断した仕事は、パートナー会社に発注することになります。
社員の中には、担当する主な仕事が、パートナー会社への発注になってしまう人がいます。
継続的な仕事は、同じパートナー会社に発注します。
新しい仕事は、その仕事をできる新しいパートナー会社を探します。
新入社員の時から何年もこのような仕事だけを行っていると、仕事とはパートナー会社に割り振って、発注手続きをすることだと思い込んでしまう人も出てきてしまいます。
本人には、ほとんど何も残りません。
一応、関連する知識は得られますが、実際に仕事を実行するパートナー会社の人にはかないません。
これが、大企業で人材が毀損されるパターンの一つです。
2.大きな仕事の一部だけ担当
大きな仕事の一部だけ何年もやらされる場合があります。
担当部分については詳しくなりますが、他の部門の仕事についてはおぼろげにしかわかりません。
本人も他の仕事の経験を希望しますが、特殊な技術のため簡単に他の人に引き継げません。
また、不況になってくると、他の仕事もなかなかありません。
そのうちに、本人の持っている技術が時代遅れになってきます。
気がつくと市場は縮小し、会社はその市場から撤退を決めます。
こうして、社内失業者が生まれます。
おわりに
大企業でこのような仕事ばかりを何年もやらされ、見通しが立たないようであれば新しい道を探さなければなりません。
会社自体、いつまでも存在する保証もありません。
会社の寿命は30年と言われています。
自分の将来は、自分で決めて、変えて行かなければいけません。
しかし、本当に恐ろしいのは、このような仕事を何十年もやらされても、それが当たり前だと思い込んでしまうことです。
本人には、危機的な状況にあるという自覚がない場合です。
視野を広く持ち、世の中の動きを把握しながら、自分がどのような状況にいるのかを認識しておくことが、大切なことです。