AmazonのKindleストアでは、誰でも無料で電子書籍を登録し、販売できます。そのためには、電子書籍を所定のデータ形式にしなければなりません。
1.Kindleのデータ形式
データ形式は、次の4種類とされています。
- Word(docまたはdocx)
- HTML
- ePub
- XMDF
2.電子書籍データの作成
前回は、Googleドライブを使いHTMLで出力してみました。
kindle出版のためのGoogleドライブを使った電子書籍データ作成方法
今回は、フリーソフトのsigilを使い、ePubで出力するという方法で、電子書籍データを作ってみます。手順は以下のとおりです。なお、文章はあらかじめテキストエディタで作っておきました。
(1)sigilのダウンロード、インストール
次のサイトからsigilをダウンロードします。
sigil – The EPUB Editor – Google Project Hosting
「Downloads」タブをクリックし、パソコンのOSにあったsigilをダウンロードし、インストールします。
(2)sigilを日本語対応に設定する
インストールが終わったら、メニューバー「編集」→「環境設定」と選択し、設定ウィンドウを開きます。左側メニューの「言語」をクリックして、「ユーザーインターフェース言語」と「メタデータのデフォルト言語」を「日本語」にします。
(3)原稿をコピー
これが、sigilの初期画面です。「section0001.xhtml」が選択され、上段中央の本の形のアイコンが押された状態であることを確認します。
「section0001.xhtml」に表紙を挿入するとしている説明が多いですが、Kindleでは表紙は別にアップロードしますので、表紙は省略します。
「section0001.xhtml」に、あらかじめ用意してあった原稿をコピーします。
(4)メタ情報の登録
タイトルと著者名と言語を登録します。上段右にある「メタデータエディター」ボタンを押し、「メタデータエディター」ウィンドウで、タイトルと著者名と言語を登録します。
(5)見出しの設定
見出しの設定機能を使用して、見出しを設定します。見出しとする文字を選択し、上から2段めの左にある「h1」〜「h6」のところから設定します。
(6)目次の作成
上段右の方にある「目次を生成」ボタンを押すと、目次生成ウィンドウが立ち上がります。見出しタグ「h1」〜「h6」を設定した文字が一覧表示されます。そのままでよければOKを押します。目次に含める見出しを調整することもできます。
次に、Kindle用の目次ファイルである「TOC.xhtml」を生成します。メニューバーの「ツール」→「目次」→「HLML目次を生成」を選択すると自動的に生成されます。左側のエリアに「TOC.xhtml」が増えています。
(7)改頁の挿入
sigilでは、改頁する部分でファイルを分割します。章ごとに改頁させるために、各章の終わりでファイルを分割します。改頁したい場所にカーソルを移動し、上段中央の「カーソル位置で分割」ボタンを押します。するとカーソル位置から下の部分が分割され、新たなファイルができます。
(8)図の挿入
ファイルの挿入機能を利用して、図を挿入します。図を挿入したい場所にカーソルを移動し、「ファイルを挿入」ボタンを押します。開いた「ファイルを挿入」ウィンドウで「他のファイル…」を押し、画像を選択します。
(9)IDの挿入
別のページにジャンプさせるときのジャンプ先の設定をします。ジャンプ先として指定したい文字列を選択し、上段中央の「IDを挿入」を押します。「IDを挿入」ウィンドウが開きますので、そこでIDを指定します。
(10)リンクの設定
別のページや外部のウェブサイトに飛ばすためのハイパーリンクを設定します。ハイパーリンクを設定したい文字列を選択し、上段中央の「リンクを挿入」ボタンを押し、「ターゲットを選択」ウィンドウを開きます。
そこで、「IDを挿入」で設定した「ID」またはファイルを選択すると別のページに飛ばすことができます。外部のウェブサイトに飛ばすときには、「ターゲット」の欄に外部リンクを指定します。
(11)保存
上段左の「保存」ボタンを押すことにより、ファイルを保存します。
3.まとめ
保存したePub形式のファイルは、epubcheckでチェックできます。epubcheckでエラーが検出されないようにしておく必要があります。epubcheckについては、別の記事を書いていますので、そちらを参照してください。
画像などのファイル名やリンク名には日本語が使えません。KindleデバイスやAndroidのKindleアプリは大丈夫なのですが、iOSのKindleアプリでエラーになってしまいます。epubcheckでは、そこをチェックできます。
その点を除くと、Googleドライブと使い勝手には、大きな差はないと思います。