電子書籍で一部の読書体験が失われる理由

電子書籍は少しずつ広まっていますが、まだまだ紙の本には根強いファンがいます。

電子書籍と紙の本の読書体験の違いを調査した研究が行われ、興味深い結果が発表されました。しかし、なぜそのような結果になったかについては、さらなる研究が求められるとしています。

電子書籍に移行することで失われる読書体験の中身が少し判明 – GIGAZINE

ここでは、そのような結果となった理由について考察しています。

実験内容

読書とタブレット使用の習慣が同程度の大学院生50人を25人ずつの2つのグループに分けて実験は行われました。一方のグループは紙の本で、もう一方のグループはKindleで、短編小説を読みました。

実験結果

物語中の出来事が発生したタイミングを尋ねた設問では、電子書籍を読んだグループが明確に低い正答率を示したとのこと。さらに、14個に分けられた話の流れを順番に並び替えるという設問に至っては、電子書籍グループの正答率はもう一方のわずか半分ほどしかなかったという結果が浮き彫りになりました。

下の図が結果を表しています。「Time and events」の項目では、紙の本のグループの正解率が電子書籍のグループを大きく上回っています。

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物語を時系列に並び替える問題の正解率は以下の図です。紙の本と電子書籍でさらに差が開いています。

Reading2

電子書籍と紙の本で差異がでた理由

実験結果は、時間と出来事の関係について、紙の本で読むほうが、電子書籍で読むよりも記憶に残ることを示しています。

紙の本は、今どのあたりを読んでいるかが、手の感覚でわかります。Kindleでは、何パーセントなのかを表示していますが、意識して見なければなりません。

紙の本では、物語の内容と全体のどのあたりなのかが、手の感覚とともに自然に記憶されます。Kindleでは、意識して記憶しない限り覚えていません。

物語の中のある出来事が書かれている場所を見つけることを想像してみます。紙の本であれば、本の厚さで、だいたいこのあたりだと見当をつけられます。

Kindleでは、これができません。記憶しているストーリーの流れから、何パーセントあたりのところに書いてあったと推測するだけです。

同じことが、この実験でも起こりました。紙の本では、物語の進行を手の感覚とともに全体の中に位置づけられます。Kindleではできません。

そのために「Time and events」と物語を時系列に並び替える問題では、紙の本のほうが良い成績となったのです。

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