インターネットの普及は、文章を書くことをより重要なものにしました。
昔は、ビジネスで最も重要な連絡手段は電話でした。現在では電子メールを使った連絡が当たり前です。
電子メール以外に、各種SNSも使われています。ブログを使った情報発信も一般的です。
いずれも文章を書くことが必要です。山口拓朗さんの『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』は、インターネット時代の文章の書き方の指南書です。
『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』では、文章の書き方を87個の法則としてまとめています。ここでは、そのうちの7つを紹介します。
文章を読ませる相手を明確にする
文章は誰に読んでもらうかを明確にしてから書きます。読んでもらう相手を明確にすることで伝わる文章になります。
スマホを宣伝するのでも、相手が10代の女性と孫のいるお年寄りとでは、文章は違ってきます。
10代の女性に「かわいいお孫さんの写真をメールでやりとりできます」とは言いません。孫のいるお年寄りに「プリクラ顔負けの写真のデコレーションが楽しめます」とも宣伝しません。
文章の目的を明確にする
文章を書く目的を明確にします。目的はしばしば間違えられます。
ラブレターは自分の想いを伝えるものではありません。相手に振り向いてもらうためのものです。
謝罪文はお詫びの気持ちを伝えるものではありません。相手に快く許してもらうためのものです。
目的をきちんと考えた文章を書くことは大切です。
読む人の反応を決める
文章を書くときは、読む人の反応を決めます。文章を読んでもらい、相手にどうしてほしいかを決めます。
お礼状は、感謝の気持ちを伝え、喜んでもらうためのものです。
企画書は、企画内容を実施してもらうためのものです。
読んだ相手にどうしてほしいかが決まれば、おのずから書く内容も明確になります。
「情熱」で書いて「冷静」で直す
文章は情熱をもって一気に書き上げます。そのとき、細かいことは気にしません。
しばらく時間をおいてから文章を見直します。間違いはないか、誤解されやすいところはないか、冷静に推敲しなければなりません。
具体的な描写で感情を動かす
読者に共感してもらいたければ、具体的なエピソードを盛り込みます。
大事なところは、具体的かつ詳細な表現で、読者にイメージを共有してもらいます。
「今日は暑かった」ではなく、「コンビニまでの10分間の往復で、Tシャツが汗でぐっしょりとなった」のように表現します。
「貢献」の意識で書く
SNSでは、文章を読んでくれる人に役に立つことを書きましょう。
読んだ人に新しい知識を与える文章は役に立ちます。通常とは違ったものの見方を提供しても役に立ちます。
読む人を楽しくする文章、喜ばせる文章、笑わせる文章、みんなOKです。
読む人に何らかの形で貢献できる文章は、読んでもらえる文章です。
切り口を工夫する
ものごとを見る視点を常識や一般論から少しずらしましょう。
目新しい視点は、驚きを与えます。常識を覆す考え方は、興味を引きます。
「東京オリンピックが日本を元気づける」は一般的ですが、「東京オリンピックが日本を壊す」は目を引きます。
説得力のある理論で説明できれば、あなたのオリジナリティとなります。
まとめ
87の法則から7つを紹介しました。
このほかにも、文章を早く書くためのコツ、簡潔な文章を書くための注意点、わかりやすい文章にするための見直し方など、文章を書くための考え方から、具体的な方法まで、盛りだくさんの本です。
文章に自信のない人にはおすすめです。