和田秀樹さんは、大学受験の勉強法から『大人のための勉強法 (PHP新書)』など、さまざまな勉強法の本を書いています。
『できる大人の勉強法大全』は、和田さんの勉強法の集大成となる本です。268項目の勉強法が網羅されています。ここでは、そこから7つの勉強法を紹介します。
得意なことに集中する
誰にでも得意なことと苦手なことがあります。
基本は、得意なことに集中し、苦手なことを避けることです。あらゆることに力を入れることはできません。
苦手なことをやるときは、自分のやりたいことに苦手なことが含まれていて、それを避けてはやりたいことができないときです。
そういうときは、人並みにできるぐらいまで、苦手なことに力をいれます。それ以外では、苦手なことは、人に頼むなどして、避けるようにします。
例えば、あなたはプロ野球選手だとします。ピッチャーであれば、バッティングの練習をする必要はありません。
野手であればバッターとしての苦手なコースは、なくさなければなりません。苦手なコースがあれば、そこを集中的に攻められます。
読書
本は、必要なところだけを読むようにします。まえがきと目次を見れば、何が書かれているかわかります。目次から必要なところだけを読めば十分です。
この考え方は、フォトリーディングに通じるところがあります。フォトリーディングとは、必要なところを見つけるための手法ともいえます。
学んだことは教える
学んだことは、人に教えることです。
教えることで、自分の理解を確実なものにできます。あやふやな理解では人に教えることはできません。
さらに、教えることで、記憶にも残りやすくなります。教えることは、最良の復習にもなります。
集中する
集中していないときは、何をしても無駄です。無理に勉強しても意味がありません。
気になることがあるときは、それを片付けてから勉強します。簡単に片付かないときは、勉強している間は忘れるようにします。
私が中学生のころは、ラジオの深夜放送を聞きながら勉強していた人もいましたが、ながら勉強は時間の無駄にしかなりません。
Twitterのように短い文章で発信することは、一見、まとめる力のトレーニングになりそうですが、まったく逆です。
刹那的、感情的な言葉のやりとりに陥りやすく、必要な情報が欠落し、まとめる力を奪うことにもなります。感情にとらわれすぎると論理はめちゃくちゃになります。
Twitterで反射的な言葉ばかりをつぶやいていては、思考力の低下を招きます。
特に匿名で使っている場合、やりとりが一方的になり、揚げ足取り、罵詈雑言、誹謗中傷といった泥沼に入り込みがちです。
資格試験
資格をとろうとするときは、取得にかかる時間と費用に対し、資格のメリットが十分にあるかを吟味しなければなりません。
現在は、弁護士、公認会計士、医師などの資格でさえ、収入や雇用が保証されているわけではありません。
簡単にとれる資格をもっていても、何の役にも立たない場合もあります。TOEICで800点を超えても、英語を話せない人もいます。
資格は、その必要性を十分に考慮してから目指さなければ、時間とお金のムダになりかねません。
資格試験に満点は不要
大学受験や資格試験の目標は、合格最低点以上をとることです。満点をとる必要はありません。
私はこのことに高校3年の2月ごろに気づきました。大学受験雑誌に各大学の合格最低点が出ているのを見たときです。
合格最低点は確か60~70%ぐらいでした。得意科目で高得点を取れば、苦手科目は3分の1もできなくても、合格最低点に達しました。
まとめ
目次には、会社で生き抜くための勉強法、文章力や会話力を伸ばす勉強法、記憶力を急上昇させる勉強法、活字理解力を伸ばす勉強法、試験を勝ち抜く勉強法、人間関係を円滑にする勉強法といった項目が並んでいます。
すべての勉強法が誰にでも役に立つわけではありませんが、どれかの勉強法はあなたの役に立つはずです。
勉強法を振り返ってみるにはいい本です。