あなたはテレビで見たり、新聞、雑誌、書籍などで読んだりしたことを頭から信じてしまうことはないでしょうか?本書では、そのような態度に警鐘をならしています。
なぜ、専門家や権威といわれる人を無条件に信じてはいけないのか?
まず、専門家というものは非常に狭い範囲の専門家であるということです。それでなければ博士号はとれません。専門外のことについての知見は、一般の人と変わりません。
次に、新しい発見が日々あり、正しいと思われていたことが、どんどん陳腐化しているということです。一度、権威となってしまった人は、なかなか新しい知識を学ぼうとしません。
また、権威となった人は、新しいパラダイムを無意識に迫害します。自分の権威が脅かされるためです。
優れた専門家を見ぬく目
それでは、信頼性の高い情報を見ぬくためには、どうすれば良いでしょうか。それにも本書は答えをだしています。まず、情報を可能な限り集めます。反対の考え方をする専門家や一般的な考え方を落としてはいけません。情報収集には、ネットが役に立ちます。
そして、次の基準で判断します。
- 理論的な整合性
- 証拠の有無
- 信頼できる他者評価
- 他の理論との整合性
- 自分の経験との整合性
最終的には、自分の判断で賭をすることになります。少しでも有利な賭をすることです。
私の場合
私自身を振り返ると、人の意見を頭から信じることはありません。これは、小学校、中学校の学校教育で学びました。私の教わった教師たちは、教科書に書いてあることも、違った見方ができること、いろいろな考え方があることを教えていました。
大学に入ると、教科書には明らかな間違いがかなりありました。最初は、教科書に間違いがあるはずがないだろうと考えていましたが、そのうちに、特に理工系の教科書には、間違いは珍しくないことを悟りました。これは、校正する人に専門知識がなく、間違いを見つけられないためだと思います。
会社に入ってからは、株の売買などもやってみましたが、証券会社の勧めなどは、「儲かるならば、なぜ自分で買わないのか」と言うだけの見識は持ち合わせていました。
それでも、テクニカル分析は、株の売買をする人の心理が反映されるから、なにか法則があるだろうと思い、試してみましたがうまくいきませんでした。本書にもあるように、個別株の売買では、情報の非対称性のためアマチュアはプロにはかなわないと思います。
まとめ
権威のある人や専門家の話を鵜呑みにしてしまう人がいることには、私も驚かされます。また、意見が分かれている問題について、自分では判断できない人もいます。
医療の問題は、だれもが直面する問題です。その時に、たまたま会った専門家の言いなりにならないために、自分で判断する癖をつけておかなければなりません。あなたや家族の命に関わることです。
自分の頭で考えて、自ら判断するようになるために、本書をお薦めします。