デジタル・ディバイドといわれるものには、3種類あります。地域、所得、個人によるものです。これらの格差により、ITリテラシーの差はさらにひろがり、格差の拡大・固定化につながっていきます。この格差の輪から抜け出すにはどうすれば良いでしょうか?
地域による格差
地域による格差とは、国家間もしくは地域間による高速データ通信回線の普及率の問題です。光ファイバーが引かれている地域、光ファイバーは使えないが電話回線は引かれている地域と日本国内でもかなりの格差があります。無線によるデータ通信も、5G回線の使える地域、LTEの使える地域、電波の届かない地域とあります。
地域による格差の解消のためには、通信キャリアの設備投資を待つか、住む場所を変えるという生活圏の変更という手段があります。
所得による格差
所得による格差とは、パソコン、タブレット端末、スマートフォンなどを買う余裕があるかという問題です。データ通信費用を負担できるかという問題もあります。
所得による格差の解消のためには、デジタル機器の値下げを待つという手もありますが、ある程度まで下がると、機器のスペックアップはしても価格は下がらなくなります。
個人による格差
個人による格差とは、加齢や障害の有無などにより、デジタル機器を使いこなせるかという問題です。
個人の問題はデジタル機器の使いやすさと補完関係にあります。すなわち、使いにくければ使える人は少ないが、使いやすくなれば使える人は増えるということです。
初期のパソコンは、コマンドによる操作で使える人は一部のマニアに限られていました。アイコンとマウスによるGUIを採用したMacやWindowsの普及により、パソコンの利用者は広がってきました。
今後のデジタル機器の進歩は、使いやすさを向上させる方向に進んでいきます。難しそうだからといって触らないのではなく、思いきって使ってみることです。
最近、20代のパソコン普及率が低く、パソコンの操作に習熟していない若年層が増えています。スマートフォンを使っているためです。
デジタル・ディバイドの問題とは、これらの格差の結果、高い収入を得ている人は情報技術を活用してさらに収入を増やしていく反面、上記の理由によりデジタル機器を使えない人はさらに困難な状況に追い込まれ、格差が拡大・固定化してしまうという問題です。
格差から抜け出す方法
個人の側から、この格差から抜けだそうと考えるならば、上記のデジタル・ディバイドの状況を知ることです。すなわち、地域の格差があることを知り、生活圏を選ばなければなりません。所得の格差を解消するためには、IT機器の購入は投資と考えなければなりません。個人の格差を解消するために、ITについて学ぶということが必要になります。
3つのデジタル・ディバイドのうち、地域の格差は、日本国内であればかなり小さくなってきました。LTEはほとんどの地域で使えます。無線ルータを使えばデジタル機器の接続ができます。
デジタル機器や回線費用も安くなってきました。日本に残るデジタル・ディバイドは、個人の問題と言っても過言ではありません。比較的安い回線費用だけで、LTEにルータで接続し、デジタル機器を使えることを知っていることも含めてです。
パソコンは難しそうだから使わない、インターネットはスマホで十分という考え方を持っているならば、それはいつまでもデジタル・ディバイドから抜け出せない原因となります。
画面の大きさと物理的なキーボードは、使い勝手を大きく向上し、操作の効率を上げるだけでなく、できることも違ってきます。
ITについて学ぶことがデジタル・ディバイドから抜け出す唯一の方法です。しかし、ITについて適切に学ぶことは、意外と難しいものです。周りに、少し詳しく親切な人がいれば、ある程度は学べます。
しかし、あなたにとって本当に必要なことを適切に教えることができるかどうかは、わかりません。まずは、パソコンをできるだけ高速のインターネット回線に接続し、後は自分で考えて調べることです。
パソコンのインターネットへの接続方法やインターネットでの調べ方についてであれば、教えられる人はたくさんいます。