著者は、新卒でゴールドマン・サックスに入社し、その後、ハーバード・ビジネス・スクールに私費留学し、卒業後はマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社したそうです。本書はそんな著者の書いたビジネスの基本です。48のポイントに分かれていますが、ここでは私の印象に残った3点を紹介します。
1.引き受けた仕事は5分間限定ですぐやる
仕事を引き受けたら、まず取りかかることをすすめています。仕事の内容を整理し、疑問点があれば確認します。アポイントの調整が必要であれば、早めにメールします。必要な設備や道具などがあれば、早めに手配します。このようなことをすぐにやっておけば、その後の効率が大きく違ってきます。
他に緊急の仕事が入っている時には難しいこともあるかもしれません。しかし、ビジネスでは、緊急の仕事を発生させないことも大切です。
2.メールへの返信スピード
「メールへの返信スピード=あなたの評価」という項目があります。これは、少し誤解を生みそうです。午前2時に出したメールの返信が、午前8時には8割方届いていたということですが、相手は日本国内ではなく海外のオフィスです。
多くの海外オフィスでは、勤務時間にかかっている時間帯ですから、6時間あれば8割方の返信が届いてもそれほど驚くことではないと思います。重要なメールの返信は、すみやかに行うことは常識です。
「メールへの返信スピード=あなたの評価」という項目を読んで、メールはすぐに返信しなければならないと考え、どんなメールも届いたらすぐに返信するのがベストと考える人がいるのではないかという懸念を持ちました。
本書には「朝一にメールはチェックしない」という項目もありますから、メールはあいた時間にまとめて処理するものだと、著者が考えていることは明らかです。メールの返信は、数時間以内にはやったほうが良いということです。
3.資料作りは下書きに時間を費やす
マッキンゼーのコンサルタントは必ず手書きで資料作成を始めるそうです。これは意外でした。
理由は、図表から考えるためだと思います。おおざっぱな図表を描くときは、パソコンで描画ツールを使って書くよりも、紙に鉛筆で書く方が自由に描けます。17インチぐらいのモニタを使っているならば、画面も狭く描くのに不自由を感じます。
図表を下書きするときには定規を必ず使うそうです。これは、理由がわかりません。定規は使わない方が自由にすばやく描けると思いますが、好みの問題かもしれません。
パソコンに向かうよりも紙と鉛筆を使う方が、脳が効率良く働くとありますが、ここまでいくと、道具の習熟度の問題だと思います。パソコンに慣れていない人は、紙と鉛筆の方が、脳が効率良く働くように感じるかもしれません。
私は、特に文字を書いているときは、パソコンを使った方がはるかに効率的です。文字の挿入、削除、移動などが自由にできます。手書きで文章を書く気にはなりません。
まとめ
私が引っかかったところを紹介しましたが、ビジネスの基本が良くまとまっています。ビジネスにかかわる人は、本書に書いてあることをひととおり知っておいた方が良いと思います。