日本のソフトウェア産業がダメになった理由

ツインズ

 日本のソフトウェア産業は、完全に米国に遅れをとってしまいました。クラウド等の最近のソフトウェアの新しい動きは、すべて米国から始まり、日本のベンダーは追いつくこともできません。基幹となるソフトウェアは、ほとんどが米国企業の製品です。ここまで、米国と差がついてしまった原因について考えてみます。

1.ユーザー業務のシステムをユーザーの要求にあわせて作成

 日本の大手ベンダーは、ユーザー企業の業務システム開発に多くの経営資源を投入しています。日本企業の業務システムをユーザーの要求にあわせて開発することは、言葉の問題もあり、外国企業の参入障壁が高くなります。

 しかし、それだけではありません。日本企業の業務は標準化が遅れ、たいして意味のなり業務が大量に含まれています。システム開発よりは業務の標準化を先にした方が良い場合も多々ありますが、日本企業ではそれがなかなか進みません。そのため、外国企業は効率の悪さを嫌い、参入してこないという面もあります。

 それを日本の大手ベンダーは争って受注します。ユーザー企業の業務システム開発は、業務ノウハウが必要とされます。ベンダー側の業務ノウハウはユーザー側の業務ノウハウを上回ることはありません。ベンダー側はユーザー側の提示する仕様のとおりに開発することになります。そのため日本のベンダーは、ユーザー側が提示する仕様のとおりにしか開発できなくなり、低い利益率で甘んじることになります。

 日本のベンダーは、ユーザー企業の業務システム開発に経営資源の多くを投入するため、OS等の基盤となるソフトウェアに経営資源を投入できません。日本の大手ベンダーは、大型汎用機時代のOSは米国企業のまねをして開発しましたが、その後のOSは米国企業が開発したものを採用しています。

2.ソフトウェアを工業製品のように製造

 日本の大手ベンダーは、大量のユーザー企業の業務システム開発をこなすため、ソフトウェアを工業製品のように開発しようとしました。すなわち、優秀な技術者に仕様書を作らせ、プログラム製造は技量の低い技術者に担当させました。

 業務量が増えると、重要度の低いシステム開発は、パートナー企業に外注しました。さらに業務量が増えると、優秀な技術者にはプロジェクトマネジメントだけを担当させるようになってきました。その結果、日本の大手ベンダーには、高い技量を持つプログラマがいなくなり、高度なソフトウェア製品を開発することができなくなりました。

3.ソフトウェア要員の不足により適性のない人も採用

 かつての通商産業省は、プログラマの不足により、日本のソフトウェア産業に危機が訪れると警鐘を鳴らしました。その結果、日本のベンダー企業は、文科系学部を卒業した学生をプログラマとして採用するようなことまでしました。

 その結果、プログラミングの適性を持たないプログラマが大量に生まれました。プログラミングほど技量により生産性の異なるものはありません。数十倍の生産性の差がすぐにつきます。適性のないプログラマの採用は日本のソフトウェア産業をさらに生産性の低いものにしました。

まとめ

 今後、日本のソフトウェア産業を発展させるためには、優秀なソフトウェア技術者の育成が不可欠です。そのためには、日本のベンダーが優位につける領域で、ソフトウェア技術者を育成するしかありません。米国の後追いをするだけでなく、独自の領域を見つけられるかどうかに、日本のソフトウェア産業の将来がかかっています。

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