ビッグデータがはやりとなっています。現在、日本で最もビッグデータを持っているところはどこでしょうか。ECサイトでは、アマゾンと楽天でしょう。これまでに蓄えた膨大な購買データがあります。
セブンイレブンでは、レジを打つときに購買者の性別と年齢を入力することが話題になったこともありました。見た目で判断しているだけであり、個人データとひもついていません。
百貨店のクレジットカードも優良顧客の管理には使っているでしょうが、あまり有効活用できていないと聞きます。
JR東日本がSuicaのデータを売ろうとして騒ぎになったこともありますが、個人情報とひもついているとも思えません。定期券をクレジットカードで買っている人は、ひもついているかもしれませんが。
ソーシャルメディアでは、何と言ってもFacebookです。実名制を採用していることもあり、顔写真を登録している人も大勢います。氏名と顔写真の他には、卒業した学校や勤めている会社を公開している人もいます。
好みの曲や映画、本なども登録し、普段の生活が投稿内容からかなり分かる人もいます。PayPalなどにより、クレジットカード情報とひもづけている人もいます。
このように、ビッグデータを持っているところはたくさんありますが、最初の質問に戻り、日本で最もビッグデータを持っているところはどこでしょうか?
警察ではないかと思います。
運転免許証のシステムでは、氏名、生年月日、住所、本籍地の情報を管理しています。そして写真もついています。今現在、警察が免許証の顔写真を電子データ化して管理しているかどうかは知りません。しかし、いつでも電子データ化しようと思えばできるはずです。
Nシステムと呼ばれるシステムがあります。全国の主要道路で通過する車の運転手と助手席の同乗者とナンバープレートを撮影しています。
防犯カメラも都市部では、くまなく設置されています。最近は、防犯カメラの映像から犯人が検挙されたというニュースが増えています。顔認識のシステムがテレビなどで紹介されていますが、眼鏡やマスクをしていても認識できるなど驚異的な機能を持っています。
防犯カメラの映像は、犯罪捜査などのたびにそれを管理組織から入手しているようですが、Nシステムは警察のシステムです。車を運転する人は、いつ、どこを、どの車を使って走ったかを常に警察に把握されていると言えます。
これらの個人情報を含むビッグデータは、警察により管理され、その管理状況を監督する組織はありません。ひとつ間違えると、オーウェルの『1984年』のような監視社会となる危険を秘めています。
個人情報を含むビッグデータが適切に使われているかどうかを監査する組織と仕組みが必要です。