第3回将棋電王戦が2014年3月15日から4月12日の5週にかけて行われ、コンピュータ側の4勝1敗という結果に終わりました。
電王戦とは、将棋プログラムとプロ棋士との対局イベントです。5人のプロ棋士対5つの将棋プログラムの団体戦で争われます。
第2回電王戦はコンピュータ側の3勝1敗1引き分けですから、コンピュータ側の2連勝です。
『情報処理Vol.55 No.7 July 2014』によると、今回の電王戦はプロ棋士に有利なハンデが与えられていました。
プロ棋士に対してプログラムの事前提出が義務付けられていました。プログラマは、昨年の11月の段階でプログラムを提出し、原則としてその後の変更は認められませんでした。
これにより、プロ棋士側は、対戦相手のプログラムを十分研究できました。
もし、プログラムの動作にランダム性がなければ、事前の研究でプログラムに勝つ手を一度発見すれば、本番でまったく同じ手でプロ棋士が勝つことができます。
プログラマは、何らかの形でランダムな要素を意図的に組み込むか、対局した棋譜を記憶し、次以降の対局では手を変えるということが求められました。
それでもコンピュータ側の4勝1敗です。
IBMのDeep Blueがチェスの世界チャンピオンであるカスパロフ氏に勝ったのは、1997年でした。
現在、将棋プログラムはプロ棋士にも勝つようになっています。将棋プログラムは、過去の棋譜を取り込み、どんどん強くなります。
もうすでにトッププロも将棋プログラムに勝てないかもしれません。
日本将棋連盟には、是非、トッププロと将棋プログラムの対戦を実現してもらいたいものです。
時期尚早と言って勝負を避けていては、トッププロと将棋プログラムの好カードが見られなくなってしまいます。
トッププロでも将棋プログラムに歯が立たなくなってしまうのは、そう先のことではありません。