『「民主的なチーム」が崩壊した話 | サイボウズ式』をネットで見かけました。
ある会社のあるプロジェクトチームがとても民主的だったため崩壊したという話です。会議ばかりで何も決まらず、とがった意見が丸く削られてしまったそうです。
民主主義は政治では最も優れた制度ですが、プロジェクトチームの制度としては、必ずしも成果をもたらすものではありません。
至極もっともな話ですが、そもそもプロジェクトチームを民主的と考えたところが間違いです。
プロジェクトとは
企業におけるプロジェクトとは、ある目的を限られた時間と資源を使って達成するものです。そこでは、プロジェクトのリーダーがすべての責任を負います。
いわゆる民主的である必要はありません。独裁者のように、すべてを自分で決めてかまいません。
ただし、そこには制約があります。
法律や会社のルールには従わなければなりません。
プロジェクトメンバーを動かすためには、モチベーションを高めなければなりません。理不尽な決定をしたり、メンバーを非人間的に扱ったりすれば、メンバーは離れていきます。
メンバーの生産性を高めるためには、プロジェクトのビジョンを明確にし、メンバーに進むべき方向を知らせ、やるべきことを納得してもらうことが必要です。
リーダーがすべてを知っているわけではありませんから、メンバーから意見を聞く場合もあります。メンバーから意見を聞いても、決定は多数決ではありません。リーダーが責任を持って決めます。
会議ばかりで何も決まらず、とがった意見が丸く削られてしまうのは、リーダーが不在のためです。リーダーがいたとしても役割をはたしていなかっただけです。
政治では
政治においては、民主主義が最も優れた制度だと言われています。すべての人が自由で平等な世界では、君主や独裁者の存在は許されません。
君主や独裁者がどのような善政を行ったとしても、人間は無謬ではありえません。必ず間違いを犯します。それを正すためには、民主主義以外の制度はありません。
まとめ
プロジェクトはある目的を達成するためにメンバーを集めます。メンバーは、その目的に賛同できなかったり、プロジェクトでの待遇に不満があったりすれば、プロジェクトを抜けることができます。
それが、政治では民主主義が求められるのに対し、プロジェクトは民主的である必要がない理由です。