ネット投票ができないのは技術的問題にあらず政治的問題である | 定年起業のためのウェブコンサルティング

ネット投票ができないのは技術的問題にあらず政治的問題である

選挙

若い世代の投票率の低さが問題になっています。この問題を解決するために、ネット投票が有効ではないかという意見があります。

東京都選挙管理委員会の調査では、平成25年の参議院議員選挙の1番多い棄権理由は、「仕事が忙しく、時間がなかったから」となっています。

さあ、「選挙」について話をしよう!

私は、この回答は本音ではないと思います。政治や選挙に関心がないとか、自分が投票しなくても選挙結果に影響がないからと答えると、後ろめたい気持ちになります。そのために「仕事が忙しく、時間がなかったから」を棄権理由にしていると思います。

期日前投票もありますから、本気で投票しようと考えているならば、どこかで都合をつけて投票します。期日前投票さえする時間がない人は、ずっと少ないはずです。

私もこの前の選挙の投票日に緊急の仕事が発生し、気がついたら午後8時前でした。外出先から投票所に直行すれば間に合いますが、投票所入場券を持っていませんでした。自宅に帰っていては、間に合わなくなります。

投票所入場券なしでも投票できるだろうと考え、投票所に行きました。予想通り、名前と住所と生年月日を聞かれただけで投票できました。

本人に投票する気があるならば、「仕事が忙しく、時間がなかったから」と回答した人の多くは投票できたのではないかと思います。

【驚愕】50代以下の投票率が低いぶっちぎりの理由は「政治に興味がない」ではなかった!! | More Access! More Fun!』では、ネット投票ができれば、若年層の投票率があがるだろうと、ネット投票のための技術を提案しています。

しかし、ネット投票が行われないのは技術的な問題ではありません。

技術的に難しいのは、ひとりの人が2回投票できないようにしながら、誰が誰に投票したか調べてもわからないようにするところです。

ひとりが1回だけ投票できるようにするためには、個別のIDで投票すればすみます。身代わりは、現在の投票方法でも完全に防ぐことはできません。

むしろ、脅されて誰かに投票させられることを警戒しなければなりません。その対策は、本人であれば、投票期間中に何度でも投票の修正ができるようにすることです。そうすれば、脅した人は投票期間中、脅した相手を監禁していなければなりません。当然、監禁罪に問われます。

投票の秘密を確保するためには、誰が誰に投票したかが、専門家がコンピュータを調べてもわからない方法が必要です。

簡単に説明すると電子的な二重の封筒を使います。

票のデータを暗号化して電子的な内側の封筒とします。それを電子的に個人とひもつけて外側の封筒にします。

投票したかどうかのチェックは、個人とひもついている外側の封筒で行います。投票を修正するときは、削除して新たに投票します。

開票のときに個人とのひもつけをはずし混ぜ合わせます。その後、選挙の管理者が暗号を解除して内側の封筒を開けます。

このようにして、投票の秘密は確保されます。

技術的に可能なネット投票が行われないのは、現職議員たちがネット投票で不利になるからです。ネット投票を行うためには、法律の改正が必要です。法改正は現職の議員が行います。この矛盾があるため、ネット投票の実施は極めて困難です。

1票の格差がある選挙を合憲だとする最高裁判事を罷免しようという運動があります。その次は、ネット投票に反対する議員には、投票しない運動を広めなければなりません。

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