図書館は読書記録を保存するのか?

図書館

村上春樹さんの高校時代の読書カードが新聞記事にされ、プライバシーが侵害された件が海外にまで広まっています。

村上春樹の高校時代の読書カードが無断で新聞記事にされた件が海外でも報じられる – GIGAZINE

本人の同意を得ずに報道したことは論外ですが、そもそも図書館のシステムに問題がなかったのかという疑問を持っています。

報道によると、神戸高校の図書カードに村上さんの名前が記載されていました。

図書館の自由に関する宣言」には、次のように書かれています。

第3 図書館は利用者の秘密を守る

  1. 読者が何を読むかはその人のプライバシーに属することであり、図書館は、利用者の読書事実を外部に漏らさない。ただし、憲法第35条にもとづく令状を確認した場合は例外とする。
  2. 図書館は、読書記録以外の図書館の利用事実に関しても、利用者のプライバシーを侵さない。
  3. 利用者の読書事実、利用事実は、図書館が業務上知り得た秘密であって、図書館活動に従事するすべての人びとは、この秘密を守らなければならない。

もう30年以上も前の話になりますが、私が図書館の貸出を行うコンピュータシステムの検討をしていたとき、図書館の方から教えていただきました。

「図書館では、誰がどの本を借りたという記録は残さないことにしている」

そのため、貸し出しのシステムも、本が返却された後は、誰が借りていたかという記録は残らないシステムになっていました。

同様の話は、複数の図書館の方から聞きました。

私の在籍していた学校でも、本に挟まれている図書カードには、貸し出しの日付だけが記録され、誰が借りたかは記録されていませんでした。それを思い出し、改めて合点がいったことを記憶しています。

ところが、神戸高校の図書カードには、本を借りた人の名前が記録されています。神戸高校の図書貸し出しシステムは、「図書館の自由に関する宣言」に反するシステムだったということです。

神戸高校の本は県立図書館に寄贈され、今年になって返却されたそうです。図書を整理していた元教員が村上さんの名前を見つけ、神戸新聞社に連絡したということです。

この間、誰も、神戸高校の図書カードそのものが、「図書館の自由に関する宣言」に反するという疑問を持たなかったことになります。

「図書館の自由に関する宣言」に対する考えが、図書館により異なるのか、人により異なるのか、時を経て変わったのかわかりません。

「図書館の自由に関する宣言」は、戦争中の言論弾圧に対抗してできたものです。それに対する考えが、いつの間にか変わってしまうとすれば、そちらの方が恐ろしいことです。

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