SSDは、NANDフラッシュメモリという不揮発性半導体メモリを使用しているため、ハードディスクに比べて高速アクセスが可能です。さらに、軽く、小さく、衝撃にも強くなっています。
そのため、最近のノートパソコンはSSDを使っています。近い将来、ハードディスクを駆逐するかのようです。
さらに、SSDの速さを活かすための、高速なバス技術も開発されています。
しかし、SSDは、データセンターで使われるようになり、その欠点もわかってきました。
What we learned about SSDs in 2015 | ZDNet
性能
SSDは高温になると性能が悪化することが分かってきました。
また、SSDの記録方法が、ログファイルのような大規模なシーケンシャルファイルを記録するには適していないことも明らかになりました。
NANDフラッシュメモリは書き換え回数数千~数万回という寿命があるため、特定のメモリセルにアクセスが集中しないように、アクセスを分散させるようにしています。
また、NANDフラッシュメモリは複数のページをまとめたブロック単位で消去を行います。そのとき、消去回数の少ないブロックを優先的に消去して書き込み処理に使うことで、NANDフラッシュメモリ全体の寿命を延ばす仕組みになっています。
そのため、ログファイルのようなデータ量の多いシーケンシャルファイルを高速に書きこむには、不向きな構造となっています。
さらに、大量の書き込みがあった場合、書き込みが完全に終了するまで、読み取りが待機状態となり大きな遅延になるという問題も見つかっています。
信頼性
NANDフラッシュメモリは書き換え回数に寿命があることは、前述したとおりです。また、ハードディスクよりも温度に敏感なことが知られています。
おわりに
NANDフラッシュメモリは、高温になると性能も信頼性も低下します。
また、書き換え回数に寿命があるため、メモリセルの使用頻度を平準化するための管理を行っています。そのため、シーケンシャルファイルの格納には向いていない構造になっています。
これらの弱点を補う材料の研究も進んでいますが、実用化はまだ先です。
SSDはデータセンターのように、大量・高速の処理を要求される使い方では、その欠点が目立ってきますが、個人のパソコンで使用する分には、欠点は気になりません。
高温に注意することと、寿命が来ることを考えて、データのバックアップを忘れないことです。
その2点だけに注意していれば、個人用パソコンでは、通常のデータ格納はSSDに行い、バックアップをハードディスクにとることが、コストパフォーマンスの良い使い方になります。
なお、火事や地震・津波などにより、バックアップ媒体ごと失われることを避けるために、クラウドにバックアップをとっておくことも有効です。